yours-夢の罪過-

片喰 一歌

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“mellow time”~いつか夢で~

“mellow time”~いつか夢で~<40>

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「『見て』……って、を?♡ そんなとこ見て何がわかるっていうのさ♡♡ 見てほしいだけなんじゃないの?♡♡ 紗世ちゃんは、見られて喜ぶ変態さんなわけ?♡」

 からかってラブタイムに突入する(もちろんすぐに突っ込んだりはしないで、全身どろどろのとろとろになるまで愛撫するよ?♡)というのが俺の計画だった。

 ――――はずなんだけど、彼女がそんじょそこらの女の子と違って、一筋縄で行かない子だってことを今回ばかりは計算に入れてなかった。まさかあんな衝撃発言をかまされるとはね。

「…………え? 見たらわかるでしょ? 他の人と会って、鏑木くんと今からするみたいなことをしたあとだったら、私から出てくるはずないのが出てくるし……」

 この子、まさか着けるべきものを着けずに行為に及んでるわけじゃないよな?

「笑えない冗談はやめてもらえると助かるかなあ♡♡」

 とりあえずそう返して、青褪めた顔を隠すべく口元を手で覆った。

 ちなみに今の俺の口角はだだ下がり。本当に隠したかったのは、顔色じゃなくて口角のほうだったかも。こんな顔、彼女に見せられないもんね。真顔以上に怖い顔してる自信あるもん。

「冗談のつもりないんだけどなあ……。口ではなんとでも言えるけど、カラダに残った証拠は嘘吐けないし……。それで鏑木くんに信用してもらえるなら、恥ずかしくても全然いいと思ってるし…………」

 スカートを握る手は、わずかに震えている。

「んー、そっか?♡」

 正直言って、ものすごく気分がいい。そこまでして誤解を解きたいし信じてほしいってことは、相当俺のこと好きってことになるでしょ?♡♡

「…………だとしてもだよ?♡ 経験豊富な紗世ちゃんが知らないなんてことはないと思うんだけどなあ?♡♡」

「何を?♡」

「女の子が感じてるときに出てくるアレのことだよ♡♡ 出始めの透明な印象が強いかもだけど、アレって指とかでぐちゅぐちゅされると白くなってくるし、精液と見分けるの意外に難しくないかと思うんだけどな?♡♡」

「! そうなの?」

「そうだよ?♡ 摩擦で泡立って白くなるらしいんだけど、生クリームみたいで可愛いよね♡♡」

「あ、ええっと……♡ そうだね?♡♡」

 彼女自身も大好きなはずのデザートに欠かせない名脇役の名前を出すなり、彼女はしきりに上下の唇を擦り合わせた。

 塗り終えた口紅を均等に均したり、全体に広げたりするみたいな動作――で伝わるかな。
 
 俺、ドレッサーの前であれしてる人、イイ女って感じで好きなんだけど、今度紗世ちゃんに頼んでやってもらっちゃおうかな?♡♡ 
 
 ドレッサー持ってなかったら、俺が買ってあげる♡ 『女優ミラー欲しいな』って先月言ってた気がするし、もしもう買っちゃってても、それよりもっといいやつ買ってあげよう♡♡ 
 
 ――――なんてのは置いといて。君は一体、何を連想しちゃったのかな?♡ 
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