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“mellow time”~いつか夢で~
“mellow time”~いつか夢で~<25>
しおりを挟む「っ!?」
あれよあれよという間にベッドの上に下ろされ、目を白黒させていると――――。
「あはは♡ そんな警戒しなくても、今すぐ襲ったりしないから平気だよ♡♡ お腹いっぱいなところにずぽずぽされたら苦しいと思うしさ♡」
続いてベッドに上がった彼に、頭を撫でられた。
「!!」
すると、彼の質量を感じたこともないのに、男性のモノを受け入れているときのような圧迫感が内臓を襲った。
「……鏑木くんがずぽずぽするのちょっとだけ我慢してくれたらいいだけじゃないの?♡♡」
こんなことを言えば、『すぐにでもしたい』と言ってしまっているのと変わらない。
「ごもっとも♡♡ あんまり派手に動かさないとか負担かけないように努力はするけど、紗世ちゃんが可愛すぎて途中から我慢できなくなっちゃうかもしれないから、エッチはもう少し経ってからね♡♡」
だが、彼もまんざらでもない様子で、私を横向きに寝かせた。
「「…………」」
向かい合う形で寝転んだ彼と無言で見つめ合う。
「……消化を促進したいときは、ちょうど今の紗世ちゃんみたいに、右を下にして寝ればいいんじゃなかったかな……」
しばらくそうしていたあと、眠そうに――あるいは幸福そうに――目を細めた彼がぽそりと呟く。
私が右を下に寝ているということは、向かい合っている彼は――――。
「鏑木くんは右下にしなくていいの?」
「そしたら、紗世ちゃんのお顔見えないじゃん」
即答だ。
「私の顔見るほうが優先順位的には上なの?♡♡」
「当然でしょ♡ 消化は放っておいてもいつかはするけど、紗世ちゃんのお顔はそうじゃないもん。紗世ちゃんと一緒にいて、お顔が見える位置にいて、俺が起きて目かっ開いてないと見れないもんね」
彼は大きく目を見開いた。カッという効果音だけなく集中線がつきそうなほどオーバーな表現に、思わず吹き出してしまう。
「あはは! 鏑木くんって目からビーム出せそうだよね?」
「……俺、褒められてる?」
「褒めてるよ! 鏑木くんのおめめ、すっごく好き……♡ 優しさが溢れ出してる気がする♡」
手を伸ばしたら、彼のほうから頬を乗せてくれた。子犬や子猫にも劣らない愛らしさだ。
――――ちなみに、彼に獲ってもらったわんちゃんは、サイドテーブルにちょこんと乗っかり、私たちのことを見ているはずだ。
「優しさ? 紗世ちゃんが好きすぎてデレデレに見えてる~とかじゃなくて?♡♡」
「どうだろ?♡ わかんない♡ 鏑木くん、ずっと前から変わってないもん♡♡」
「!」
もう一度、彼の瞳が縦に開いた。
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