yours-夢の罪過-

片喰 一歌

文字の大きさ
上 下
67 / 265
仮初恋人遊戯

仮初恋人遊戯<23>

しおりを挟む

「そんなのいいに決まってるじゃん! 申し訳なさそうな顔しないで?」

「ほんと? 無理してない?」

「……いますぐにでも抱きたいのは本当だから、無理してないとは言えないけどさ……♡♡ 俺だって休憩だけじゃ足りなくて泊まっていきたくなっちゃうだろうし、時間作って泊まれるときにしよ?♡♡」

 慈愛に満ちた眼差しが絶え間なく降り注ぐものだから、なかなかなことを言っているのに誤魔化されてしまいそうになったけれど。

「そんなに?」

「?」

 いくら察しのいい彼とはいえ、省略しすぎた質問の意図は伝わらなかったようだ。

「ええっと……♡♡ 鏑木くんは、私のこと……何回も、何時間も抱いてたいって思ってくれてたのかなあ、って♡♡」

「抱きたくないわけなくない?♡ 紗世ちゃんの極上の抱き心地はもう知っちゃってるからさ……♡♡ 『裸で抱き合ったらどんなに気持ちいいんだろう?』って考えないほうが難しいでしょ♡♡ 紗世ちゃんは想像しなかった?♡」

「したよ。何回も……」

 もごもご答えると、『正直に言えて偉いね♪』と言わんばかりに頭を撫でられた。

 ……といっても、髪が乱れないように毛の流れに沿って軽く手櫛を通す感じだったし、身体のどこでも彼に触れられるのは嬉しい。

「…………って、俺たち、こんなとこで何話してるんだろうね! このゲーム目当てのお客さんいなかったっぽいのはラッキーだったな」

 辺りを見回した彼が、ちょっぴり恥ずかしそうにはにかんだ。

「ほ、ほんとだね……!」

「あれ?♡ まだ照れてる?♡ ていうか、想像しちゃった?♡♡ かっわいいなあ、紗世ちゃんは♡♡」

「~~~っ♡♡」

 一矢報いる手立てがあるとしたら、私以上に彼を照れさせるか、もしくはさっき以上に彼を興奮させるくらいしかなさそうかも。

 だとしたら――――。

「ねえ、早く始めよ……?♡♡ 私に手取り足取り教えてくれるんでしょ?♡ ……千尋先生?♡♡」

「!」

 両手を使ってぎゅっと手を握れば、彼は大きな瞳をゆっくり細めた。

「……言ってくれたね、紗世ちゃん……♡♡ 今度こそ本当にどうにかなっちゃうかと思ったよ♡♡」

「どうにかなってほしかったのに♡♡ こんなに迫っても反応してくれないなんて……♡」

 本当に危なかったのかと疑ってしまうくらい、彼は涼しい顔をしている。いっそ、もっと際どいところを触ってしまってもよかったのかもしれない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

処理中です...