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仮初恋人遊戯
仮初恋人遊戯<2>
しおりを挟む「……確かに! 私、鏑木くんの好きなブランドのお名前だって、昨日知ったばっかりだった……!」
ややあって、彼女は感心したように息を呑んだ。
「そうそう。そんな感じでさ……お互いのこと、完璧に知り尽くしてるとは言えないと思うんだ。俺たち。だから、今日は…………紗世ちゃんのこと、教えてほしくて♡」
「私のこと?」
「うん♡♡ 好きなもののお話、聞かせてくれない?♡♡」
「いいけど……。今までもたくさん聞いてもらってるよ?」
「確かにね。でも、まだ聞いてないこともたくさんあると思うんだ。例えばだけど、『どんな風に触られるのが好きか』なんて、ただの男友達には聞かせられないでしょ?♡♡」
背骨の上の溝を指でなぞる。
『ヴィーナスライン』なんて、女神様みたいな彼女にぴったりの名前だと思わない?
「ぁ……っ♡♡ 抱いてくれないのに、こういうことはするの?♡ 言葉で教えるだけじゃだめ……?」
とことん気持ちいいことに弱くてかわいそうだね♪
「嫌ならやめるけど、どこをどういう風に触られると気持ちいいかってこともちゃんと把握してたほうが、エッチのときだって気持ちよくなれるはずだよ♡ 俺のためだと思って予習させて?♡♡」
ぽわんとした表情になってきた彼女のこめかみやらほっぺやら、目に付いた場所に片っ端から唇で触れていく。
「キス……多くない?♡ これじゃ、どこが好きか教えられないよ……♡♡」
「口で教えてもらうのも好きだし助かるけど、反応見てたらわかるよ♡♡ 紗世ちゃんがどこをどうされると感じちゃう子なのかって♡」
第一、口頭で教えるほうが難しいし恥ずかしいと思うんだけどな。
ていうか、好きなひとのならともかく、自分の性感帯の位置なんて完璧に把握してるもの?
触られてなくても的確に教えられる?
「いっぱいキスしてくれるのも、私が気持ちよさそうだから?♡」
「そっちは俺の趣味♡♡ ほんとは好きな子のカラダは全身舐め回したいくらいなんだけど、臭いも気になるだろうし、気持ち悪いでしょ。その代わりにたくさんキスしてるの♡♡ でも、紗世ちゃんもキス好きみたいでよかった♡」
「あ……ねずみさんと掛けてるわけじゃないんだ?」
小さな手が生地の手触りを確かめるみたいにさわさわしてくる。
脇腹をチョイスしてるのに他意はない感じ? それとも、やっぱり我慢できない?
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