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親友転序
親友転序<25>
しおりを挟む「すっっごいよかったよ♡」
すでに伝えてある(そして、相当混乱させてしまったであろう)エッチの感想とほぼ同じ文言を流用して笑いかけた。
――――気付いてくれるかな?
「…………っ♡♡ そ、そっか。よかったあ……!」
よかった。気付いてくれたみたい。
でも、無理に明るい声作って誤魔化そうとしなくたっていいのに。
自分から行くのが得意なタイプって意外と押しに弱かったりするし、君ももしかしてそういう感じ?
「だけど、したいわけじゃないの?」
――――と思いきや。彼女が怯んだのは一瞬だけで、果敢に核心に切り込んできた。
蛮勇じゃなきゃいいけどね?
「そりゃ、したいけど……♡♡」
「じゃあ、どうして? 私なら大丈夫だよ? 充電してもらったのは、私もおんなじだもん♡」
至近距離から訴えてくる唇は興奮のせいか色付いていて、女の子が隠し持っている秘密の花弁を否応なしに連想させた。
もしかしたらさっきのキスで準備万端になっちゃったのかもしれないし、物欲しそうに開閉を繰り返しているのかもしれない。
体力持て余してるのも知ってるし、『しない理由がない』んだろうね。君にしてみれば。
「そっか♡♡ 『したい』って思ってもらえてるみたいで嬉しいな♡♡」
「…………したいよ?♡♡ 好きなひとと気持ちいいこと出来るなんて最高だもん……♡」
目元を和らげた彼女は、視線でラブコールを送ってくる。
『好き』だけじゃなくて、『あなただけ特別』って言われてる気分。少しは君の特別な存在に近付けたかな?
「そうだね。好きなひととするのは俺も好きだな♡」
でも、その割には無節操な気がするんだけど、突っ込んだらどう言い訳するつもりでいるんだろう?
日常的なそれ――救いのない言い方をすれば、性欲発散のためのエッチ――は及第点でいいってこと?
……あ。突っ込むって別にエロい意味じゃないよ?
「でもさ、あえて今日はしないで、今みたいにくっついて、たまにキスして……って感じでどっちかが寝るまでイチャイチャしてたら、すっごくドキドキして、お互いのこともっともっと好きになる気しない?♡」
「…………どこまでだったらしていい?♡」
「『どこまで』……か。そんな風に訊くってことは、紗世ちゃんはなにか俺にしたいことがあるの?♡♡ 服脱いだりずらしたりしないでも出来る範囲でのことだったら聞いてあげられるかもだし、言ってみて?♡」
眠そうな羊ちゃんは想定以上に積極的で貪欲だった。
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