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親友転序
親友転序<1>
しおりを挟む「難しい顔してる。……やっぱり俺のこと、男として見れないかな?」
『すでに男のひととして見ているけれど、男の人には見えない』――――。
言葉遊びめいた考えを読まれてしまったかのような質問に驚いて、慌てて頭を振った。
「え? ううん! そうじゃなくて、考えてはいるんだけど、私って意外と鏑木くんのこと知らないなあって思ったというか……」
ちょっと無理があったかな?
鏑木くん、相談も含めていっぱい話聞いてくれるけど、自分のことはあんまり話さないから、意外と知らないっていうのは別に嘘じゃないんだけど……。
「…………ああ。『彼氏にしていいかどうかっていう判断材料が足りないよ』ってこと?」
彼は一応納得してくれたみたいだけど、齟齬がないように確認を取ってくる。
きっとお仕事も出来るんだろうなあ。
「うん。それもそうだし、単純に知りたいなあって……。今だって十分、大切なひとだもん」
その言葉に少しも偽りはなかったけれど、口にしたときに胸の奥が疼いたのは、隣にいる彼が今以上に大切なひとになる予感がしたから?
それとも――――。
「そっか。嬉しいな♪ ……でも、言われてみれば確かに、付き合う付き合わないより、お互いのことを知るほうが先か……」
彼は立てた膝の上に肘をついて、遠くを見つめている。考えてるところも絵になるなあ……。
「紗世ちゃんって、今日なんか予定ある?」
ほうっとため息をついていたら、彼の声がワントーン以上明るいものに切り替わった。
「ううん。一日空いてるよ」
本当は溜まった家事を片付けないといけないんだけど、別に明日だっていいわけだし、何より朝日を受けた彼が綺麗で、頭で考えるより先に口が動いていた。
昨日、恥ずかしいところを見せてしまったのだとしても、まだ一緒にいたい。
「じゃあさ、提案なんだけど……」
二人を乗せたベッドが揺れて、距離がぐぐっと縮まった。
もしかして、このままカラダの相性確かめちゃう感じ?
「今日一日、紗世ちゃんの時間を俺にくれないかな?」
どきどきしながら続くひと言を待っていたけれど、こちらへ向いた顔はいつもどおりだったし、彼は顔を近付けたり手を取ってきたりすることもなかった。
「え……っと、今日?」
「うん。一緒に過ごしてみて、付き合えそうかどうか見極めてもらうっていうのは?」
異性として意識し始めたせいか、先ほどより近くで聞こえる声にさえ、どきどきが抑えられない。
「帰ってきてすぐ洗濯したから、昨日着てきてた可愛いワンピースも乾いてると思うしさ。……あ、でもきつかったんだっけ。なら、いちばん最初に着るもの見に行って、そのあとどっか行こっか?」
楽しそうに話す彼を見ているうちに、ひとつの仮説が浮かんできた。
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