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最悪の目覚め
最悪の目覚め<16>
しおりを挟む「鏑木くんは私としたいの? そういうキス……」
「それは『してくれる』と捉えてもいいってこと?」
瞳の中を、いたずらな輝きが駆け抜ける。
相手が彼でさえなければ、迷わず食いついていた。
――――いや、食らいついていたと言うべきだろうか。
湧き上がる肉欲に任せ、唇を貪って……それだけでは満足できずに、襲いかかっていたに違いない。
では、どうして鏑木くん相手だと迷いが生じてしまうのか?
簡単だ。
――――『彼が大切な男友達だから』という理由が、私の弱すぎる理性を一時的に補強しているに過ぎない。
フランクに肉体関係を結ぶ傾向にある異性愛者が、異性と性愛を交えない友情を育むのは、存外に難しい。
向こうがこちらをそういう目で見てくることもあるし、こちら側が何かの拍子にうっかり異性認定してしまうこともあるというだけだから、ただの自業自得だけれど。
「…………やっぱりだめ……」
クロスさせた人差し指を口の前に持ってきて、弱々しく答えた。
「よかった。紗世ちゃんが優しい子なのは知ってるけど、嫌なことは嫌って断っていいんだからね? 今回に限らずさ」
「嫌……とかじゃなくて……。その、私の問題っていうか…………」
「そっか。……本当によかった」
彼は、要求が通らなかったとは思えないほど上機嫌に安堵の言葉を繰り返した。
<千尋side>
「そっか。……本当によかった」
――――紗世ちゃんの意識のないうちに犯しておいて。
本当はそんな最低な意味を含んだ発言だったわけだけど、きっと『嫌われてるわけじゃなくて安心した』って意味だと思ってるんだろうな。
だけど、これだけヒントあげてもまだ俺のこと信じてるなんて、昨日のこと知ったときの反応がちょっと怖くなってきたかも。
相手は合意なしのキスすら躊躇うような子だ。
……やっぱり嫌われちゃうかな。
でも、その場合の対策だってちゃんと考えてある。
俺のことを異性として意識してなくても、たぶん俺のルックスは嫌いじゃないはずだから、それを活かしつつ、俺なしじゃ生きられないカラダにしてあげればいいだけだ。
懸念点があるとすれば、俺は彼女と違ってお盛んじゃないし、年単位で彼女がいなかったこともあって、経験値が横這いだってことくらいかな?
「介抱じゃないとしたら…………。あ、わかった! 私が『帰りたくない』って駄々こねたんじゃない!?」
俺が最低さを更新し続ける中、彼女は斬新きわまりない新説を唱え始めた。
もしそうならどんなに嬉しかったことか。
「……だから、仕方なく家に泊めてあげたんじゃないかって?」
こくこく頷いてるけど、それでも同じベッドで寝てる説明はつかない気がするんだけどな。
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