yours-夢の罪過-

片喰 一歌

文字の大きさ
上 下
9 / 246
最悪の目覚め

最悪の目覚め<9>

しおりを挟む
「・・・・・?」

ラビーは何処か分からない場所で目が覚めた。

「起きたかラビー!!」
「つ、 ツイスト殿下?」

傍に居たツイストが心配そうにしていた。

「ここは? 一体何が・・・」

起き上がるラビー、 如何やら医務室の様な場所でベッドに横になっているらしい。

「如何やら麻薬王とやらの反対勢力の亜人達が大使館を襲撃しに来たらしい
僕達はその巻き添えになったと言う訳だ」
「そうでしたか・・・他の方々は?」
「・・・・・」

重苦しそうにするツイスト。

「悪い報せが多いぞ」
「・・・言って下さい」
「まずは良い報せだ、 君の父君は無事にこの大使館に逃げ込めた、 ついでに僕も無事だ
君は意識を失っていたが目覚めて良かった」
「どの位、 意識を失っていました?」
「2,30分位だ」
「そうでしたか・・・完全に油断してました」

悔しそうにするラビー。

「私は何で意識を失っていたんですか?」
「大砲による砲撃を受けた」
「大砲!? そんな物まで持ち出して来たんですか!?」

大砲は発明はされていたが魔法の方がまだまだ便利としてあまり発展していない。
とは言え魔法が使えない者達にとってはかなりの火力兵器である。

「どうやら木製の大砲を使って来たらしい」
「木製・・・?」

実際に木製の大砲は存在する。
それ所か革製、 紙製の大砲も有る。

「確かに軽そうですね・・・」
「だが威力は大砲並だ、 焙烙玉を打ち込まれてその時の衝撃で倒れて気絶したんだ」

焙烙玉とは陶器に火薬を詰め込んだ砲弾である。
火薬が弾け火と破片で攻撃する手榴弾の様な物と考えて貰えれば良い。

「僕がマジックハンドと自前の腕力を併用して気絶した君を大使館に運んで逃げ込んだ」
「ありがとうございます」
「礼ならあの人狼に言った方が良い、 彼が君の盾になった」
「雷・・・!! 彼は無事ですか!?」
「焙烙玉の破片が背中にびっしりだが軽口を叩いていたし
ここは天下のビア帝国の大使館だ、 こういう事も慣れっこなのか医療班も充実している
重傷だが死ぬ事は無いだろう」
「良かった・・・他の皆さんは?」
「ケンタウロスも無事だ・・・だが・・・」

良い淀むツイスト。

「だが・・・? なんなんですか殿下? 教えて下さい」
「他全員がこの大使館から締め出された」
「なっ・・・!? 何ですって!?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

処理中です...