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第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【裏】
第52話『HEBICHAN STYLE』
しおりを挟む「……一緒に答えてくれたんだ。ありがとう。だから、『無理そうだと思うこともお願いしてきてくれていいよ』って言いたくて。答えられないとしたら僕の力不足で、グミちゃんが無理難題押し付けてきてるわけじゃないし、僕はグミちゃんに色々もらってるから――。だから――――」
懸命に言葉を探している白夜の手を握ったら、切れ長の目を最大限まで細くしてあどけない笑顔を見せてくれた。
(か……っっわいい~♡♡♡ ここまでちゃんとした笑顔見せてくれるの今のが初めてじゃない?♡)
「…………僕がグミちゃんの夢、叶えてあげる。これ、二本とも使って――。……でも、僕も同じこと考えてたのかも。『両方同時に受け入れてほしい』みたいなこと。だから、『叶えてあげる』じゃなくて『叶えてもらう』ことになるのかなぁ」
「どっちでもいいんじゃない?♡♡ だって、どっちも同じこと――てか、さっき自分で答え言ってたじゃん♡ あたしたちのしてることはどっちかが一方的に与えて、もう片方が一方的に受け取ってるみたいなことじゃないんだって♡♡ だから、白夜もあたしも『相手の願いを叶えてあげて、相手にも自分の願いを叶えてもらう』。それが一回で済んじゃうだけのことだよ♡♡」
全裸で両手を取り合ってぶんぶん振っているあたしたちは部外者から見たら間抜けかもしれないが、恋愛になるとお花畑全開のあたしには、今この瞬間にも繋いだ手を通して膨大な量の愛情とか慈しみみたいなものが行き交っているように思えた。
「ほんとだったら二回分かかるところが一回で済んじゃうってことは、その分他のことも出来るじゃん?♡♡ そしたら、蛇ちゃんみたいに密着してラブラブとかも出来るよ♡♡ そっちも共通してる願いだし♡ だから、もう難しく考えなくていいんじゃないかなぁ?♡ ここまでの感じ、白夜のしたいこととあたしのしたいことってそこまで大きく食い違わなそうじゃん?♡」
「……そうかも。ありがとう、グミちゃん。今まででいちばん気持ちよく……とかは難しいかもしれないけど、この感謝とか色々伝えられたらと思ってるんだ。言葉だと行き違いが出てきやすいけど、行動だったら言葉よりはまだ伝えたい気持ちを伝えたいまま伝えられそうな気がする」
白夜の手は蛇ちゃんのようにしゅるりとあたしの手を抜けていった。不思議と寂しく感じなかったのは、女性顔負けの美しい指が離れがたいと告げるように手のひらを撫でていってくれたおかげだ。
「感謝? 感謝だったら、あたしが白夜に伝えなきゃダメじゃないかと思うんだけど♡♡」
「? そんなことないと思うけど……。グミちゃんがそう思ってくれてるなら、今からセックスで伝えてくれたらいいよ」
そのまま彼の手は二本の男性器の元に急行した。
「グミちゃんは座ってするのと押し倒されてするのとどっちが――他に好きな体位があったらそれにするけど、どうしようか?」
白夜は前に続いて後ろのモノの状態を確認し、あたしに向き直った。いよいよか。急に緊張してきた。
でも、初めて同士ならともかく、オンナ側は経験済みでオトコが初めてっていちばん精神的負荷高そうじゃない? 緊張って感染るし、あたしはせめて表に出さないようにしないと!
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