Temptation Invitation

片喰 一歌

文字の大きさ
上 下
78 / 97
第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【裏】

第41話『天才的な蛇舌様』

しおりを挟む

「ひゃ……っ♡♡」

 用意していた返事はなんだったか。おそらく『苦手じゃない』みたいに後ろ向きな否定形。実際に口から躍り出たのは、どことなく水っぽくて途轍もなく甘い声だった。

 喘ぎ声のような。彼の名を呼び損ねたかのような――。

「…………ん……♡♡」

 白夜はキスに勤しんでいた唇で満開のそこに触れている。
 
 早く他の人とは異なるその舌に愛撫を施されたいあたしにとっては焦らしに他ならないが、教科書的には文句なしの大正解だ。

(ほんとに初めて……?♡)

 本気で疑っているわけではない。だが、唇を滑らせながらはむはむ挟んできたり、触れているのかいないのかわからないほどのライトなキスで攻めてきたり、予習を済ませているのではないかと思ってしまうくらい、白夜はあたしのツボを心得ていた。

(あたしに出来るのは、出来るだけ舐めやすいように脚開いて動かないでいることだと思うけど――♡♡) 

 そんなことは出来るはずもなかった。というより、正しくはさせてもらえなかったと言うべきだろうか。

「んっっ♡♡ ね、白夜……?♡ なんでそんな上手いの?♡♡ ……ぁあっ♡ なんにも言って、ない……っ♡ のに、あたしの好きなとこ……全部、わかって、る…………みたい……♡♡」  
  
「…………なんだろう。勘? 気持ちいいならよかったけど、まだ満足してもらったら困るなぁ」

 白夜は一旦顔を上げ、不敵に笑んだ。

「あぁぁっ♡♡」 

 どういうことかと問いかけようとした言葉は意味を失い、シーツに着水した。

(白夜の蛇ちゃん舌♡♡ 綺麗にしてないあたしのアソコ舐めてる……♡ ちょうどさっき手で触ってたとこ全部、外側からちょっとずつ内側に……♡)

 長い舌は一匹の小さな蛇ちゃんさながらの細やかな動きで全体を這っていくが、快楽を得るためだけに存在している小粒の豆はわざとスルーしていった。

(あとのお楽しみってことなんだろうけど、素でやってるの将来有望すぎ♡♡ あたしが仕込むこと、ちゃんと残ってんのかな?♡)
 
 白夜の舌はわざわざ尖らせる必要もなく最初から尖っている(おまけに尖った先端がふたつもある)が、力の加減で刺激の度合いが変わってくるということも了承しているらしい彼は、変化の付け方も実に天才的だった。

(強めにしたあと『よしよし』してくるのずっる♡♡ てか、キスのときも思ったけど、舌の割れてるとこ使うの上手すぎ♡♡ カリでGスポ引っ掻くみたいに敏感なとこ引っ掛けてくる……♡)
 
 蛇ちゃん舌から送られる刺激に陶酔しきってしまったときだった。無防備にさらされていたクリトリスに電流が走ったのは。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

先生と生徒のいかがわしいシリーズ

夏緒
恋愛
①先生とイケナイ授業、する?  保健室の先生と男子生徒です。 ②生徒会長さまの思惑  生徒会長と新任女性教師です。 ③悪い先生だな、あんた  体育教師と男子生徒です。これはBLです。 どんな理由があろうが学校でいかがわしいことをしてはいけませんよ〜! これ全部、やったらダメですからねっ!

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...