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第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【裏】
第41話『天才的な蛇舌様』
しおりを挟む「ひゃ……っ♡♡」
用意していた返事はなんだったか。おそらく『苦手じゃない』みたいに後ろ向きな否定形。実際に口から躍り出たのは、どことなく水っぽくて途轍もなく甘い声だった。
喘ぎ声のような。彼の名を呼び損ねたかのような――。
「…………ん……♡♡」
白夜はキスに勤しんでいた唇で満開のそこに触れている。
早く他の人とは異なるその舌に愛撫を施されたいあたしにとっては焦らしに他ならないが、教科書的には文句なしの大正解だ。
(ほんとに初めて……?♡)
本気で疑っているわけではない。だが、唇を滑らせながらはむはむ挟んできたり、触れているのかいないのかわからないほどのライトなキスで攻めてきたり、予習を済ませているのではないかと思ってしまうくらい、白夜はあたしのツボを心得ていた。
(あたしに出来るのは、出来るだけ舐めやすいように脚開いて動かないでいることだと思うけど――♡♡)
そんなことは出来るはずもなかった。というより、正しくはさせてもらえなかったと言うべきだろうか。
「んっっ♡♡ ね、白夜……?♡ なんでそんな上手いの?♡♡ ……ぁあっ♡ なんにも言って、ない……っ♡ のに、あたしの好きなとこ……全部、わかって、る…………みたい……♡♡」
「…………なんだろう。勘? 気持ちいいならよかったけど、まだ満足してもらったら困るなぁ」
白夜は一旦顔を上げ、不敵に笑んだ。
「あぁぁっ♡♡」
どういうことかと問いかけようとした言葉は意味を失い、シーツに着水した。
(白夜の蛇ちゃん舌♡♡ 綺麗にしてないあたしのアソコ舐めてる……♡ ちょうどさっき手で触ってたとこ全部、外側からちょっとずつ内側に……♡)
長い舌は一匹の小さな蛇ちゃんさながらの細やかな動きで全体を這っていくが、快楽を得るためだけに存在している小粒の豆はわざとスルーしていった。
(あとのお楽しみってことなんだろうけど、素でやってるの将来有望すぎ♡♡ あたしが仕込むこと、ちゃんと残ってんのかな?♡)
白夜の舌はわざわざ尖らせる必要もなく最初から尖っている(おまけに尖った先端がふたつもある)が、力の加減で刺激の度合いが変わってくるということも了承しているらしい彼は、変化の付け方も実に天才的だった。
(強めにしたあと『よしよし』してくるのずっる♡♡ てか、キスのときも思ったけど、舌の割れてるとこ使うの上手すぎ♡♡ カリでGスポ引っ掻くみたいに敏感なとこ引っ掛けてくる……♡)
蛇ちゃん舌から送られる刺激に陶酔しきってしまったときだった。無防備にさらされていたクリトリスに電流が走ったのは。
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