Temptation Invitation

第1幕『半人半蛇（蛇人間）』【裏】

第34話『避け（裂け）て通れない痛み』

「本気で言ってる？　……裂けない？」

　だが、白夜が興奮して襲いかかってくることはなかった。

「ここ、ちんぽ挿れるためだけじゃなくて、赤ちゃんが出てくるように設計されてる穴だよ？♡♡ 伸縮性バツグンだし、心配することないって♡♡」

　指を動かして、ビラビラを開いたり閉じたりする。偉そうに言っておいて悪いけど、ぶっちゃけあたしも設計ミスだと思う。

　直径が通常サイズのちんぽでも慣らさないと痛い場所だよ？　二本同時に突っ込むとか正気の沙汰じゃない。裂け確定。心配しかない。

「いや、裂けるじゃん。裂け目縫うじゃん、出産した後のお母さんたち。痛い程度じゃ済まないんじゃない？　グミちゃんが痛い思いするの嫌なんだけど……」

　白夜の眉間には皺が寄り、口元はわかりやすく引き攣っている。大仕事を終えた後の女性たちに、避けては通れない彼女たちの痛みに思いを馳せているのだろう。

　……てか、あたしの心配？♡ これ以上メロつかせないでほしいんだけど♡♡ 

「…………白夜があたしの身体気遣ってくれるのは嬉しいよ？♡♡ でもさ～……裂けちゃったとしても、しばらく地獄の痛みが続くって脅されても、二本とも挿れてほしいし挿れてあげたいんだもん……」

「気持ちは嬉しいよ。でも、順番に挿れればいいだけじゃないの？　僕、順番回ってくるのも待てないくらい早漏だと思われてる？　不名誉すぎないかな……。我慢強さには自信あるんだけど……」

　押しても押しても白夜は煮え切らない態度だ。オンナのカラダ気遣えるオトコってだけでも絶滅危惧種だし、そこまで心配してくれるとか、ますますどんな痛みも耐えられる気がしてきちゃうんだけど♡♡
　
「早漏なんて思ってないのに～♡ てか、我慢出来るのも出来ないのもどっちも可愛いから、問題なし♡♡ ぴゅっぴゅしちゃっても何回でも復活させたげる♡ 同時に欲しいのは――……ただのあたしの願・望・、みたいな？♡」

　そこで、こ・の・空・間・に・お・け・る・ル・ー・ル・を利用させてもらうことにした。
　
　白夜はお客様あたしの注文オーダーを可能な限り叶えるために動かざるを得ないはずだ。――さあ、どう出てくるかな？♡♡

「…………わかった。グミちゃんの注文おねがいは出来るだけ叶えてあげたいし。出来そうだったら、同時挿入も視野に入れてかんがえてみる」

　白夜は目を見て約束してくれたけど、その直前まで大事なトコじーっと観察してた♡♡ 穴の直径見て判断したの？♡ それとも挿れたくなっちゃった？♡

「やった♡♡」
　
「でも、その前にまずは――――」

「一本で様子見？♡」

「……どんだけ待てないの。一本は一本だけど、たぶんグミちゃんが考えてるのじゃないよ。一本で様子見するのはそのあと。とりあえず、脚そのまま開いてて……」

　と言いつつ、白夜もあたしの腿に手を添えてきた。