Temptation Invitation

片喰 一歌

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第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【裏】

第10話『オスとメスの力関係』

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「……あ……ああ!! 確かに~! オトコノヒトって力強いよね。ヒョロっとしててもガリっとしてても、女の子たちより全然力持ちだし!」

 『可愛い』というのは、無意識に相手を見下しているからこそ湧き上がってくる気持ち――ではないにしても、そういうニュアンスが乗っかる表現なことには違いない。

 言う側は無頓着でいられたとしても、言われた側からしてみれば、たまったものではないかもしれない。

 だから、取り扱うには細心の注意を払う必要があったのに。あたしはそれを考えなしに多用――では済まず、濫用の域に達していた可能性もある――してしまっていた。

「そんなに慌てて話逸らそうとしなくていいのに。『力のことだけ言ってるわけじゃない』って、ほんとは気付いてるんでしょ? グミちゃんも…………」

 白夜がどれほど寛容だったとしても、知らず知らず彼の許容範囲を超えてしまっていたのだろう。

「…………まぁね。でしょ」

 おとなしく答えを口にしたら、白夜は私を抱き寄せ、自身の持つ力を知らしめるように段階的に力を強めていった。

「白夜……♡♡」

 このように強く抱き締められるのは二度目だが、一度目のときと同様、蛇ちゃんに巻き付かれているような錯覚に都合よく陥ったあたしの呼吸は浅くなり、口からは吐息とともにオスを誘惑するための甘い声が転び出た。

「…………続き。グミちゃんは賢いし、いい子だから、もっと出来るよね?」
 
 花の蜜を吸いに来た蜂よろしく、白夜の唇が締まりの悪くなっていた唇を塞いだ。
 
 彼は、オスとメスと比較したとき、メスがどういう面でどのようにオスより弱いのかについて聞きたがっているのだろう。

「メスのほうが身体が大きかったり、最終的にオスがメスに食べられちゃったりするとしても、のほうだもんね。総合的にメスのがオスより全然弱いし、本気出されちゃったらメスはオスに絶対勝てない……♡」

 リクエストにお応えして詳細な解説をしただけなのに、膣内がムズムズして勝手に蠢いている。

「そう。オスのほうが強いし、人間だって例外じゃない。僕を人間として考えるかどうかは、人によって意見が割れると思うけど、可愛い女の子のグミちゃんは僕のこと人間だと思ったうえで、オトコとして見てくれてるみたいだから、その感じで行くと――」

「あたしより白夜のが強い♡♡」

 今現在、あたしを囲っているオトコにを教えてほしい。
 
 今すぐ突っ込んで黙らせてくれと直接ねだるのも手っ取り早くていいかもしれないが、ムードに欠ける。ハグしてカラダをくっつけた。
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