三千世界の鴉なんて殺さなくても、我々は朝を迎えられる

片喰 一歌

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Interlude

Interlude<LXXIV>

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「……どうしたの?♡♡ 黙ってちゃ、きみがなに考えてるかわからないよ♡♡ ダメだったら断ってくれていいから、答えてほしいな?♡ かぷかぷしてくれる?♡♡ それとも、また次のお楽しみ?♡」

 問いかけのあと、頬に唇が触れた。もちろん歯などは当てられず、唇に挟まれることもなく、触れ合わせるだけのシンプルなキスだ。

「あ、ううん! 違うの違うの! どう断ったらいいかわからなくて黙ってたわけじゃなくて、君が『かぷっ』って言ったのがかわいいなって思ってただけで…………♡」

「え?♡♡ そんなこと考えてたの?♡ 俺はきみのほうがかわいいと思うけどな♡♡ ……で、いまの感じだと『かぷっ』ってしてくれるの自体はOKってことでいいんだよね?♡♡ 完全にそういう流れだったし、いまさら『やっぱりだめ!』なんて言わないよね?♡」

 両肩を掴む手にほとんど力は込められていなかったものの、優雅な微笑みにどことなく圧を感じる。

「う~……。わかった……。恥ずかしいけど頑張るね…………!!」

「やった♡♡ そうこなくっちゃ♡♡」

「でも、そんなに何回もはしないからね?」

 彼が『』と言っていたのを思い出して、釘を刺したけれど――――。

「わかってるって♡ だって、相手の身体に歯を立てるなんて初めてだもん。それこそするときのために取っておかないと……♡」

 返ってきたのは、ますます恥ずかしくなってしまう言葉だった。
 
「…………かぷってするのは、私とおんなじところでいい?」

「そっか、場所か! 全然考えてなかったけど、そうだね♡ そこがいいかな♡♡ どうせならお揃いにしたいもんね♡♡ というか、首出さないとしてもらえなかった♡♡ ちょっと待ってて♡」

 ひとりでガーッと喋った彼はネクタイを抜き、ボタンを上から順に外していった。
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