三千世界の鴉なんて殺さなくても、我々は朝を迎えられる

片喰 一歌

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Interlude

Interlude<LXXII>

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(『にする』って、どういう意味で受け取ったらいいの?♡ 君以外じゃ感じられないようにしたいだけ?♡♡ でも、それって別に強制的って感じしないし……。そういうことじゃなくて、妊娠させたいとか……そっちの意味で言ってたりする?♡♡)

 さまざまな可能性が脳内をぐるぐる回っている。彼は目の前にいるのだから、尋ねてしまえばすぐに解決するはずなのだけれど、質問が質問だけに熱っぽい視線を受け止めるだけで精一杯だった。
 
「…………なーんて言われても困っちゃうでしょ?♡♡ だから、これで我慢して?♡♡」

 いたずらっぽい笑顔を見せた彼は、唇を起点に頬、鼻、顎と放射線状にキスの範囲を広げた。

「わかった……♡♡ だけど、いま言ってた君のしたいことをわたしにしてくれる予定でいるかどうかだけは、いまここで聞いておいてもいい?♡」

「当然♡ まだからしないってだけで、逆に言えば、それまでの時間は、きみにとって最後のボーナスタイムとか短いモラトリアムみたいな期間ともいえるんじゃないかな♡♡」

(……やっぱり、あとに思い付いたほうの意味で言ってるみたい♡ 真面目だなぁ。君のそういうところも大好きなんだよ、わたし……♡)

 彼はなるべく自由を奪わないように気を付けてくれているみたいだけれど、そんな彼だからこそわたしは束縛されたいし、彼のなかで一定の基準を満たしてからの束縛はなかなかハードなものなのではないかという期待まじりの妄想まで走り出してしまった。
 
(早く君だけのわたしになれたらいいのに。……っていうのを、君に直接伝えられたらもっといいのに)

「だから、もし俺から逃げるんだったらいまのうちだよ?♡♡」

 憂げなため息を掻き消すように、ご機嫌な声が被さった。
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