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Interlude
Interlude<XLIX>
しおりを挟む「ここまでお膳立てしてもらっておいて、なにもしないで服整えてあげる……みたいな紳士的な振る舞いは、ちょっといまの俺には無理そうかなぁ♡♡ ……いや、きみが相手って考えたら、一生できないかも♡」
彼はなにかを堪えるように、ぎゅっと目を瞑った。
「……本当にいいんだね?♡」
再度、目を開いた彼から捕食者の気配は微塵も感じられなかった。
「うん♡ いつでもいいよ?♡」
最終確認に頷いて、彼が動くのを待つ。
「じゃあ、髪そっち側によけちゃうね……♡♡」
唇に感じていた熱が訪れる代わりに、垂れてきていた長い髪がすべて右側に寄せられる。
「すごいさらさら♡ この手触り好きだなぁ♡」
「…………っ♡」
なるべく素肌に触れないように気遣ってくれていたのだと思うけれど、髪をよけるときに指先が無防備な肌を掠めていった。予期せぬフェザータッチに肩がふるりと震える。
それ以上、しなやかな指が首に触れることはないと安心していたのに――――。
「……あ♡♡ こんなところにほくろ発見♡ ぷっくりしててかわいい♡♡」
首と肩の継ぎ目にあるほくろを目敏く見つけた彼は、その上を行き来するように何度も撫でてくる。
「ほくろなんて、なんにもかわいくないよぉ……♡」
「んー……♡ ただのほくろだったら、そうかもね?♡ でも、かわいいきみの身体についてるほくろがかわいくないはずないでしょ♡」
やっとほくろをいじるのに飽きてくれたと思ったのも束の間、かぱっと口を開けた彼が犬歯を覗かせて言うことには――――。
「ここも舐めちゃおうっと♡♡」
声を上げるよりも早く、かぷっと噛みつかれた。いわゆる甘噛みというもので少しも痛くはないけれど、わたしの身体に彼の歯が突き立てられていると思うと、どきどきとぞくぞくが込み上げてきた。
「~~~っ♡♡」
上の歯と下の歯のあいだから顔を出した舌が、盛り上がったほくろの上を滑っている。
手の甲を口に押し付けて声を殺すけれど、時折、快感に染まった息が隙間から漏れ、静かな室内に響いた。
「……は……♡ きみ、『首筋が敏感かどうかわからない』なんて言ってたけど、俺にはものっすごく敏感に見えるよ?♡♡」
口を離して小休止中の彼は、挑発的にこちらを見上げている。
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