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Interlude
Interlude<XLIII>
しおりを挟む「だって、かわいいんだもん。わたしよりずーっと!」
できることなら彼の希望するとおり『かっこいい』と褒めてあげたいけれど、外見も内面もかわいいから、ふとした瞬間にぽろっと零れてしまうのだ。
(ほんとは『かわいい』って言うのと同じように『好き』って言えたらいいのに。…………素直じゃなくてごめんね)
「……うーん、そっかぁ……。まぁ、それでもいいけどね♡♡ 俺にとって、『他の追随を許さないベストオブかわいいで賞』受賞者は常にきみだから♡♡」
しょんぼり顔を一瞬で笑顔に切り替えた彼を見て、胸の奥がきゅうっと掴まれた。
「なにそれ♡ 盛りすぎじゃない?」
「だって、かわいいんだもん♡♡ ちなみに、そのコンテストの開催頻度は毎日ね♡♡」
彼は先ほどわたしが発した台詞をわたしの何倍もかわいく言っただけにはとどまらず、片目を瞑ってみせた。
「…………『参加者が他にいないから』とかいうオチじゃなくて?♡」
「考えようによっちゃそうかもしれないけど、若干違うかな?」
「ほんとに?♡」
「参加者の例を挙げると、『ちっちゃい石に躓いて転けそうになったけど、なんでもないふりをしたきみ』とか『お気に入りのケーキ屋さんのケーキを食べて幸せそうにしてるきみ』とかだから♡♡ ね?♡ 全員違うときのきみでしょ?♡」
彼は捕まっていないほうの指を折って数えている。
「うぅん……? それを全員別人カウントするのは君だけじゃないかと思うけど…………?」
「まぁまぁ♡♡ 俺が『かわいい♡♡』って思うのはきみだけってことにしておいてよ♡♡」
「…………じゃあ、教えて?♡ 今日の受賞者はどんなわたしだった……?♡」
誤魔化された気がしなくもないけれど、好奇心に負けて尋ねてしまった。
「そうだねぇ♡ 自分から俺の隣にきてくれたきみ……もイイ線行ってたけど、やっぱり自分からおっぱい触らせてきたきみかな♡♡ ほーんと大胆だよねぇ♡ まだ俺の腕抱えたまんまだし♡♡」
胸を包んでいた五指が、突如として弧を描く表面を滑るように動いた。
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