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あなたからのプレゼント
あなたからのプレゼント<中編>
しおりを挟む「当ててみていい?♡」
――――前に、確認を取ってみる。
「もちろん♡♡」
「……もしかして、来年のクリスマスプレゼントの希望、もう聞くつもり?♡♡」
『気が早すぎる』と冷やかしたいのではない。
言われるまでもなく信じていたけれど、『来年のクリスマスも一緒に過ごす約束』をスマートに取り付けてくれたのが嬉しくて仕方なくて、大好きなあなたの口から、あなたの声で聴きたかっただけ。
その証拠に、わたしの声は炭酸ガスの仕込まれたキャンディのごとく期待に弾んでいる。
「鋭いな♡♡ ほんと言うと、驚いてるお顔が見たかったんだけど……♡ どんな顔してたってきみはかわいいし、わかってるんだったら話は早いね♡ ねぇ、ハニー?♡♡ 来年はなにが欲しくて、どうやって過ごしたいか、俺に教えて?♡♡ ……いや、なにを欲しがってくれるんだろうね。きみは……」
彼の声も負けず劣らずぱちぱちしゅわしゅわ弾んでいて、シャンパングラスが目に浮かぶようだった。
真珠の意味を持つ泡も、首飾りの意味を持つ泡の連なりも、あなたの美しさには到底かなわないけれど。
「来年のクリスマスはね…………♡♡」
わたしの瞳の奥を覗き込んでくるあなたには、内緒にしてきたけれど。
――――本当は、わたしにはずっと欲しいものがある。
あなたと最初のクリスマスを過ごしたときから?
――――いいえ、もっと前。
クリスマスを迎える前。
何度、プレゼントの希望を訊いてくれても、 『一緒にいてくれたら、なにもいらない』と、お馴染みのクリスマスソングの直訳じみた返しをするせいで、温厚なあなたにはじめて叱られてしまったとき。
あなたがひとつめのクリスマスプレゼントの希望を聞き出してくれたときから、欲しいものなんて決まっている。
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