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HONEY BUNNY
HONEY BUNNY<CCXCII>
しおりを挟む「あはは♡ それもそうだ♡♡ けど、多少寝る時間削ったくらいで日常に支障が出るほど貧弱じゃないでしょ♡ きみも俺もね♡♡」
「それはそうだけど♡♡ ほんとに『多少』で済むの?♡」
挑むように見下ろしてみれば、彼は愛しそうに見上げてきた。
「んー、きみ次第かな♡♡ 数年分溜まってるのは俺だけじゃない♡ 一年分だって今日明日じゃ埋められっこないんだから、もっと時間をかけて取り戻していかないとだよね♡♡」
「できるのかな?♡」
「できるさ♡♡ 延々と話し合っててもしょうがないし、まずは、いまできることから始めようか♡♡」
衣擦れにさえ掻き消されてしまいそうな声を拾おうと、片耳を彼の口元に近付けた。
「いま、できること……?♡」
「もっと奥まで挿れさせて?♡ 俺のこと全部包んでよ……♡♡」
彼は、差し出された耳に甘い声を吹き込んだ。
「…………っ♡」
じっとして、背筋をぞくぞく駆け上がってくる性感をいなしていたのに。
とちゅん、と最奥まで押し入られたその刹那、彼に全体重を預けてしまった。
「ぁぁあ゛っ♡ なんで急にするの……♡♡」
こちらから迎えに行って、今度こそわたしが彼をリードする手筈だったのに。
先手を取られ、喘ぎとともに非難の声を上げる。
「え?♡♡ お互いの気持ちも確認できたことだし、こうしちゃいられないと思って♡ お喋りはここで一旦おしまいにして、とっておきの毒をあげようね♡♡」
憎まれ口を叩かれた彼は、いちばん大事な場所の入口を叩き返してきた。
足を踏ん張って体重を分散させたいのに、予期せぬ快感で思うように動けない。
『恋愛における腰砕けとは、こういうことを指すのだろうか』と分析する妙に冷静な自分もいたけれど、いまのわたしの関心事は他にもあった。
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