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HONEY BUNNY
HONEY BUNNY<CCLXXVIII>
しおりを挟む「完全に忘れてもらえたと思ったんだけどなぁ……。俺の味、覚えちゃった……?♡♡」
ぴしっと背筋を伸ばして次なる言葉を待っていたけれど、ひと目でそれとわかる情欲に炙られ、ノーガードの心臓が早鐘を打つ。
「覚えちゃった♡♡ でも、今度こそ誤魔化さないで答えて? ものすごくいけないことなのはわかってるから、断られても驚かないし……」
気まずい雰囲気にならないように、可能な限りの明るい声を出した。
「…………驚かないとしても、傷付きはするでしょ。きみのことだから」
彼は、繋いでいた両手を静かに置き、目元口元まで計算し尽くした完璧な笑顔のわたしを抱き締めた。
「わたしのことなら、ぜんぜんへい……」
鋭い指摘も、笑顔の仮面で受け流せたと思っていたのに。
「『全然平気』? きみの口癖だね。本当に平気なときも、そうじゃないときも言うけどさ……。いまのは完全に強がりでしょ。声、震えてるよ」
「…………っ」
耳に流れ込んでくるのは、冷静で、少しの怒気を含んだ硬質な声。
「俺は、きみを傷付けるのが怖いし、傷付けて嫌われたくもないから、誤魔化して逃げたわけだけど。……きみには通用しなかったね」
ほぼ確実に断られることは話の流れでわかっていた。
「ねぇ、どうなの?♡ くれるの、くれないの……?♡♡」
けれど、空気を読まずに鼻にかかった声で返答を迫る。
多少凹みはするだろうけれど、その程度のことで少しでも天秤が嫌いに傾くのなら、わたしはこんなに激しくあなたを求めてはいない。
それだけ伝われば御の字だ。
そう思っていたのに。
「…………現実的なことをまるっきり無視して感情だけで答えるなら、ぜひともそうしたいよ」
意外なことに、彼は観念したように深く息を吐き出した。
「でも、俺がひと晩に何回できるかは計算に入れてる?♡ 自分でも正確に把握してるわけじゃないけど、一回や二回じゃ終わらせてあげられないよ?♡♡」
ゆっくりと身体が離され、向かい合う。
「わかってる……♡」
「毎回、俺が満足できるまで付き合ってもらっていいの?♡♡」
「当たり前でしょ♡♡ 好きなだけ抱いてほしいの……♡」
心の深層まで暴いていく瞳をひたと見据え、首の後ろに手を回した。
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