我々はうさぎではないので、乙女座の我が子にはまだ巡り逢えない

HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCLXII>

「…………きて……♡♡」

　まばたきの時間さえ惜しんで、視線を絡ませる。

　か細い声を拾った彼は、恍惚とした笑みを浮かべた。




「あ゛♡ まって♡ ま……っ、ひぅっ♡♡ こわい♡♡ これだめぇ♡ きもちよすぎておかしくなっ……♡♡ やぁぁあっ♡」

　すぐに与えられると思っていたものはいまだ与えられることなく、ちゅぱちゅぱと彼自身に吸い付く子宮口は飢餓を訴えていた。

「えぇ？♡ いまになって拒否しないでほしいんだけど♡♡ すっごい良さそうなのに、なにが不満なのさ♡♡」

「あっ♡ そんなこと言われても……♡ こんなの続いたら変になっちゃうから……っ♡♡」

　彼は小刻みに奥を揺らすばかりで、自分が達するための動きに切り替える気配はない。

「…………言っただろ。今度は『死んじゃうくらい』なんかじゃ済まさない。『死んだかと思う』くらい良くしてあげられるように頑張る、って♡♡ 『だめ』とか『やだ』っていうのが拒否じゃなくてただの口癖なのは知ってるけどさ？♡」

「やっ♡♡」

「本当かなぁ♡ いまの『嫌』なんて、全然嫌がってる声じゃなかったよ？♡」

　彼が顎を上げると、首元から本能を刺激する香りが漂ってきた。

「ぁ……っ♡」
　
「ちょうどいいから訊いてみよっか♡ 気分はどうかな、お姫様？♡ まだ全然余裕そうに見えるけど、死・ん・だ・か・と・思・う・く・ら・い・気持ち良くなれたかな……♡」

「な……っ、ぁぁああっ♡♡」

　回答を阻んだのは、下の口への熱烈なキスだった。

「…………いまさぁ、『なれた』って嘘つこうとしなかった？♡ バレバレだよ♡ 怖いとかなんとか言って手心加えててかげんしてもらおうなんて計算ができるかんがえられるうちは……まだまだ元気、だよね？♡♡」

　彼は勝ち誇ったように口端を上げる。