我々はうさぎではないので、乙女座の我が子にはまだ巡り逢えない

HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCXLV>

「…………あなただけじゃないよ♡♡」

　結合を解いたあともなんとなく離れがたくて、窮屈なくらいぴったり寄り添って横になり、ベッドの広さを無駄使いする贅沢しあわせを嚙み締めていた。

「ん？♡ なになに？♡ なんのお話？♡♡」

　『疲れちゃうから』と遠慮したのに腕枕をしてくれている彼の声を聴きながら、重たくなってきた瞼を無理矢理こじ開け、首元にすり寄った。
　
「わたしだって、いつもあなたのことばっかり考えてるんだよ……？♡」
　
　伝えそこねた……ないしは、彼その人によって阻まれた続きをどうしても渡したくて、話しながら言葉を探す。
　
「そうなの？♡♡」

「一緒にいるときは『大好きすぎてどうしよう』って思ってて、そばにいないときは『お仕事捗ってるかな』とか『一緒に夜ご飯食べられたらいいなぁ』とか、頭の中そんなのばっかりで……♡ あとはね……♡♡」

　目を合わせているだけではいられなくなって、背中に回されているほうの腕をきゅっと掴んだあと。
　
「『今日は抱いてくれるかなぁ』、って……♡♡」

　と言って、ちらりと上目遣いで窺えば。
　
「……あぁ、それでだったんだ♡♡ 実はずっと不思議だったんだよね♡ 約・束・もしてないのに、いっつもいいにおいするし、上下セットのかわいい下着着けてるからさ……♡♡ 勝負下着、何枚くらい持ってるの？♡♡」

　彼の手が背中から胸にかけてを何度もなぞる。

「…………あなたに見・ら・れ・て・も・大・丈・夫・な・の・し・か・、持・っ・て・な・い・……♡♡」

「もしかして全部ってこと？♡ 毎晩抱かれる前提で用意してるんだ♡」　

　にやにやとからかわれ、かぁっと頬が熱くなった。

「あ、こないだは上も下も着けてなかったっけ♡♡ 今夜はどんなの着けてるんだろうって思ってたから、ドキドキしちゃったよ♡ たまにはノーブラノーパンもいいね♡♡」　

　彼は親指で乳首を潰すように胸をいじってくる。