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HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CCXXIV>

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「あぁぁぁあっっ♡♡ そう♡ それで合ってるから……っ♡♡ て、くれる?♡ あなたのほうがわたしより強いんだ、って……♡」

 ぱん、ぱん、と。確かな質量をともなった肉と肉がぶつかり合う派手な音の合間に横顔で乞うた。

 そう遠くない場所に彼の頭部があったことに恥ずかしくなって、急いでぷいっと顔を背けるけれど、色欲に塗れた声がわたしを追いかけてきて。

「はぁ……♡♡ お願いされなくてもそうするさ♡♡ っていうか、もうしてるし♡ 見つめ合ってラブラブな状態で……じゃなくて、こんな恰好で繋がってるときをことにも意味があるんだろうしね?♡」

 逃がさないと知らしめているつもりなのか、ついに気遣う余裕も削げ落ちたということなのか。彼はわたしにぴったりくっついて、内からも上からも容赦なく圧迫感を与えてくる。

 厚い胸板と擦れ合う背中から際限なく汗は噴き出てくるし、のしかかられているせいで息苦しいのに、脈打つ心臓が恋心を叫ぶ。
 
「なんのこと?♡♡」

 とぼけたって、きっとなんの意味もないのに。

「…………もう遠回しに言うのやめよっか♡♡ くせにすぐ忘れちゃうみたいだから、しつこく思い出させてあげる……♡♡」

 彼は子宮口の感触を楽しむようにを繰り返す。 

「さっきはどう返してくるかなと思ってたけど、『交尾』ってところは否定しなかったよね……♡ というか、できなかっただけか♡♡ だってこれ、交尾だもんね?♡♡」

 あなたはわたしが必ずそれを否定するとわかって訊いている。
  
「こうびじゃ、ない……もん……♡」
 
「違うの?♡ じゃあ、俺たちがしてることがなんなのか言ってみてよ♡♡」
  
「…………赤ちゃん作るためのえっち……♡♡」

 言葉にしてからなにが違うのかと自問したけれど、飾り立てたところで本質は変わらない。

 きわめて素直なほうの口が催促のように彼自身にしがみついた。
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