我々はうさぎではないので、乙女座の我が子にはまだ巡り逢えない

HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CLXXV>

「そっか、まだ気持ちいいんだ♡♡ きみが特別感じやすいせいもあるんだろうけど、女の子って大変だよねぇ……。イったあとすぐ動けないから、好きにされるしかなくて♡♡ いまの俺は無性にきみを甘やかしたい気分だから、すぐに再開したりはしないけど♡」

　彼は腕の中にわたしを閉じ込めて大層ご満悦だ。

「わたしは……あなたとなら休憩しないでしたいくらいだよ？♡ あ、でもね、いまみたいに出したあともぎゅってしたままでいてくれるのも好き……♡ あったかいだけじゃなくて、あなたの匂いがして落ち着くの♡♡」

　渇いた喉で必死に愛を紡ぐ傍ら、首元に顔を寄せて、胸いっぱいに彼の香りを吸い込んだ。

　これまでだって、避妊具の処理を終えたらすぐに戻ってきて体温の高い身体で包み込んでくれていたけれど、いちばん繋がっていたい部分だけは離れていて……。

　あなたとわたし、どちらも悪くないのに、寂しさをおぼえてしまうのが嫌だった。

「俺の匂い？　……汗くさくない？　大丈夫？」

　彼は鼻をひくつかせたけれど判断がつかないようで、声を潜めて尋ねてくる。
　
「くさいなんて思ったことないよ♡♡ 同じ匂いのはずなのに、安心するときと興奮しちゃうときがあって、それは不思議だなぁって思ってるけど……♡」
　
「なるほどね。どっちにしろ『好き』ってことか♡♡」

「あなたも、あなたの匂いも大好き♡♡ こんなにくっついてるんだから、わたしにもこの匂い……移ったらいいのに……♡」

　と、カラダを擦りつけて呟けば。

「きみが俺の匂いに？」

　彼は吐息まじりに笑い、ねっとり腰を回した。
　
「わざわざ外側につけなくても、きみの内側そのナカにたっぷり塗り込んであげたでしょ？♡ きみの好きな匂いとは違うかもしれないけど♡♡」

　その視点はなかったけれど、注がれた分だけ匂いも染み付いているはずで。

「……もう♡ 変態さんなんだから♡」

　子宮の重さをよりいっそう愛しく思いながら、彼の脚に自分のそれを絡め直した。

「でも、その変態さんとこんな体勢でいるのに安心しきっちゃって……よっぽど信用してくれてるんだね♡♡」

　眠気なんてなかったけれど、少し長めに目を閉じていると、王子様のキスが降ってきた。