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HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<CIV>

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「なんかその言い方、盗み聞きしてる人がいたら勘違いされちゃいそうだね♡♡ いまのとこだけ聞いたら、いかがわしいことしてる真っ最中みたい♡♡」

 当の本人は呑気なものだった。凶器嫉妬はさっさと引っ込めて、浮かれたことを言っている。

「いかがわいいこと……って」
 
 切り替えが早すぎると思っていたはずなのに、そう言われると、いましがた放った台詞が手や口を使って彼のモノを愛撫しているときのものとしか思えなくなってしまって。
 
「ここには俺たち以外誰もいないから、いらない心配だけどさ♡ かわいいきみが頑張ってしてくれてるのは事実だし、勘違いされて困ることもないけどね?♡♡」

 迂闊にも煽られたのは、奉仕の精神だとかきっとそんな高尚なものではなくて、静かに燃える情欲だった。ごくりと唾を吞み込み、鼻にかかった声を作る。
 
「…………わたしも別に誤解されちゃってもいいよ♡♡ あとでもしたほうがいい?♡」

 はしたないかと躊躇いつつも、カラダの下に潜り込ませた指で鼠蹊部を擦った。彼の肩がぴくりと震える。

 『ここだってリンパ節だから』と言い張るのは苦しいかもしれないけれど、言い訳を用意する必要もなかったのかもしれない。理想的な凹凸の横顔は、にっこり微笑んでいた。
 
「そしたら、今度は俺がしてもらいっぱなしになっちゃうでしょ? だからさ、次はふたりで一緒に気持ちよくなれることしようよ♡♡」

 せっせといたずらに励む手首をぱしっと捕らえられ、今度はこちらが震える番だった。

「する♡♡」 

「いいお返事♡ きみもさっきから待ちきれなさそうにしてるもんね♡♡ どことは言わないけど、ぷにぷにしたところ押し付けてきたり……♡ 足の付け根触ってきたりして♡ 俺のカラダ触ってるうちにシたくなってきちゃったの?♡ かわいいなぁ、もう♡♡」

 ざわめく全身の性感帯を宥めながら返事したけれど、彼はわたしのいたずらに気付いていただけでなく、その狙いまで見抜いていたようで。

「あなただって、満更でもないくせに♡」

「きみの小さい手が俺の疲れを取ろうとしてくれてるんだよ? ぐっときちゃうのも無理ないでしょ♡♡」
  
 彼の言葉で、このあとの『ふたりで気持ちよくなる』時間の前にすべきことがあると我に返る。手元に意識を集中させようともがいたけれど煩悩は振り払えず、一段と体温の高くなった手を彼の背に這わせた。
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