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HONEY BUNNY

HONEY BUNNY<XXVI>

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「だって、あなたのこと大好きだから……♡ どんなに恥ずかしいことも嫌だなんて思えないし、本気の抵抗なんてできないもん♡♡」

 彼の頭部を片手で固定して、とっておきの愛を告げる。たったいま口にした恋の奴隷そのものの台詞と面白いほどに食い違う、女王様のような態度。
 
「嬉しいな♡ お礼に、さっきあんまり触ってあげられなかったところ気持ち良くしてあげる♡♡ ここも……こっちも、寂しくさせちゃってたね……」
 
 対する彼は忠実な臣下よろしく、若干無理のある口実を捻り出してまでわたしのカラダを構ってくれるそうで。片方の手が胸に、もう片方が陰核に伸びていく様子は、まるで植物が枝葉を伸ばす過程を記録したタイムラプスのようだった。

「んぁっ……♡ 全然そんなことないけど、どっちも好きだからいっぱい触ってね♡♡」  

 けれど、わたしはそれが猫被りだと気付いていた。どうせあなたはあとで牙を剥く。入念に下拵えして、うんと甘くなったところで思いきり齧り付く予定なのだと。
 
「ほんとかわいいね、きみは♡」 
 
 胸部と陰部に到達した手は広範囲を撫で回したあと、それぞれの突起を優しく捉えた。

「ああっ♡」 
 
 見慣れた自分のカラダなのに、目の遣り場に困ってしまう。これまでお風呂で行為になだれ込むときは浴槽の中や縁で愛撫を受けることが多かった。カラダを洗うついでに鏡の前であちこちいじられることもなくはなかったけれど、できるだけ鏡に映った自分ではなく彼を見るようにしていたから。
 
「捕まえた♡♡」
 
 でも、今日は違う。『見せて』と言った手前、目を逸らすわけにはいかない。彼は乳頭を転がすのをやめ、人差し指と中指で挟み込むようにして胸全体を包んだ。

「ぁ……っ♡」

「ふわふわだね。指埋まっちゃう♡♡」
  
 弾力のある乳房は握られれば込められた力の分だけ形を変え、緩められれば元に戻る。彼の意のままに姿を変えるさまがわたしの生き方を反映しているようで、決して褒められたことではないのに喜びを感じてしまった。

「こっちはどうかな……?♡」

 陰核を擦っていた手が下ってきて、指先が入口に侵入する。

「ん……! そっちも埋められちゃった♡」

「…………ほんとにそう思ってる? きみはもっと長さも太さもあるやつじゃないと『埋まった』とは思えないんじゃない?♡」

 彼は中ほどまで指を入れてから、ゆっくり引き抜いていく。そこには、それよりも遥かに質量のあるモノが挿入された痕跡が残っていた。
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