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ホーリーナイト・セレナーデ

ホーリー・ナイト・セレナーデ<Ⅰ>

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「そうだ。いま言われてどきっとしちゃったから、俺も言ってみようかな。……今夜は寝かせないよ」 
 
 脳髄が痺れてしまいそうな宣言の直後、ぬるりと我が物顔で入っていくソレを、抵抗もなく受け入れる。その形が鮮明にわかる気がしたのは、ただの思い込みか。

「あ♡ おちんちんきたぁ♡♡ いつもよりおっきい……?」

 小さいとも物足りないとも思ったことはないけれど、フォローは不要なはず。

「かもね♡ 君の生ハメおねだりがかわいすぎて♡ …………にしても、どういう心境の変化?」

 いつもならしないような際どい物言いにぞくりと肌が粟立つ。彼もであることを示しているようで、忘れかけていた下腹部の痛みが甦る。自分のなかにもこんなに強い本能があったなんて、昨日まで考えてもみなかった。

「んっ♡ なにが……?」

「『まだ当分は二人でいたい』って言ってなかった? それをひっくり返しちゃうくらい、がつらかったのかな……。大変だったね」

 先ほど指した位置にもう一度、ぬくもりが訪れた。何気ない発言も記憶してくれている彼にまた胸の奥がきゅんとする。

「ああ、そのことだったら……いますぐデキなくても別にそれでもいいの。もちろん、いつかは絶対生みたいけど。それよりいまは、あなたの全部が欲しい。『本当の初めて』はもう貰えたから、今度は……ね? あなたなら、わたしが次になにを欲しいと思ってるか、わかるでしょ?」

「…………まったく。俺のお姫様はいろいろと上手だなぁ♡♡」

 すべてを察した彼は薄く笑う。規則正しい突き上げに合わせて動くわたしは、数年前に比べて床上手にもなれているといいけれど。
 
「欲張りでごめんね」
 
「構わないよ。俺も大概欲張りだし。でもさ、その言い方だと、『全部受け止める準備はできてる』って解釈しちゃうけど?」

 あくまで婉曲表現を駆使しながら、彼はわたしに問うてきた。彼の言葉責めは直接的になったり間接的になったりして忙しいということを今日一日で学んだ気がする。どちらにも振れすぎることはなく、ちょうどいい塩梅のそれは、生来のバランス感覚の為せる業か。

「問題ないよ。それで合ってるから……♡」

「そこまで欲しがってくれるなら、応えないわけにはいけないよね♡♡ ……ってことで、残さず受け取ってもらおうか♡ きみのほうは、これまでとどれくらい違うかわからないけど、うねってるのも絡みついてくるのもダイレクトに伝わってきて……実はもうかなりキてるんだよね……」

 と告白した彼は、笑顔こそ崩してはいないが、ほんのり呼吸を乱し、時折眉を顰めている。
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