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We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【39】
しおりを挟む「ランタンといえば、いつかのハロウィンはランタンが例年の倍以上はあって、とても明るくて賑やかでしたね。ふふふ」
「あったね~、そんなことも! ここ数年のことじゃなかったっけ?」
罰ゲームのためにあるんじゃないかと思うようなお菓子に思いを馳せていたら、パックとヴィニーが思い出話に花を咲かせ始めた。
「そうでしたっけ? まぁ、いつのハロウィンのことでも構いませんけどね。あの年のハロウィンシーズンの飾り付けが豪華だったのは『おばけかぼちゃ』の誤発注のせいだったと聞きましたが、私は毎年あのくらい派手にしてもいいのではないかと思います」
「『おばけかぼちゃ』? 普通のかぼちゃとは別物?」
いかにもランタンの材料っぽい名前だけど、本物のおばけだったりして。
「うふふ。そういう品種があるんだよ。普通かどうかでいうと……普通じゃないかもしれないけどねぇ」
「ああ。野菜としてあるまじき姿だと思うかもしれないが、中身がスカスカなのが普通なんだ。ランタンを作るのに適している」
「人間界でも鑑賞用のかぼちゃは食べられないし、そんなこと思わないよ。くり抜く手間省けていいじゃん! こっちでもそういうのないのかな。私、ランタン作ろうなんて思ったことないし、わかんないや。……あ、『おばけかぼちゃ』って、中身がないからゴーストってこと? うまいこと考えたね」
人間界でもそうだけど、ネーミングセンスがいいなって思うと、その商品欲しくなっちゃうんだよね。
「それも由来ではありますけど、実はもうひとつ由来がありまして……どのようなものだと思いますか?」
そう言って、私を見つめるパックはミステリーハンターみたいだった。
「え、まさかのクイズ? 教えてくれるわけじゃないんだ。布被ったおばけみたいな形してるとか?」
「いいな、おばけ型。そういうかぼちゃがあったら、きっとかわいいだろうな。刃を入れるのが忍びなくなってしまうのだけが難点か」
スーはやっぱりかわいいものが好きみたい。
「ってことは、違うってことね。全然わかんない!」
「じゃあ、正解発表しまーす! 『おばけかぼちゃ』はね、正しい育て方をして、生った実でランタンを作ると……」
ヴィニーの言葉に耳を澄ませる。
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