“Boo”t!full Nightmare

片喰 一歌

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We hope your Halloween is a ”Treat”!

We hope your Halloween is a ”Treat”!【32】

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「相方ですが?」

 そんな『坂本ですが?』ばりの決めポーズで言われても。妙に似合ってはいるけども!
  
「その設定まだ生きてたんだ……」

「当たり前じゃないですか。カリンを無事に元の世界に帰すまで、私たちは運命共同体です」
 
「いや、相方って確かに広義では運命共同体なんだろうけど、そういう誤解を招く言い方、私以外の前ではしないほうがいいと思うよ」

 ザ・老婆心。見た目は二十代、心は……おばあちゃんじゃよ~。こんな言い方したら私まで夜闇の魔物吸血鬼みたいだけど。
 
「おや、やきもちでしょうか? ふふふ……。カリンはかわいいですね」

 内面で好き勝手やってたら、パックのボケにツッコミを入れるお仕事まで舞い込んできた。

「突然のボンドルド卿は心臓に悪いからやめて!?」

 思わず大声が出たのも仕方ない。

 あ、わかってるよ。原作の黎明卿は『君は可愛いですね』しか言ってないって!

「…………なんとなく似てるね。パックと黎明卿」

 敬語だし、物腰柔らかだし、パックは顔隠してないけどポーカーフェイスだしで、ほぼほぼボンドルド……ぼ言いすぎな。なんつー視認性の悪い並びだ。
 
。心外ですね」
 
「んなー……。その返しは元ネタを知ってる人じゃないと出てこないんだよなぁ……」
 
「さりげなく乗ってくださってるじゃないですか。カリンはかわ「二度は言わせないから!!」

「止められてしまいましたか。私、結構、彼にも憧れてるんですけどね」 

「どのへんに憧れてるかは怖いから聞かないでおくけど……。そういうことなら、仕方ないか。『あこがれは止められねえんだ』、もんね」

「ふふふ。深いご理解、感謝します」

「…………ふたりとも~? ご歓談中悪いけど、そろそろ元の話に戻っていいかな」

 ヴィニーの声がかかって、オタク談義(?)はひと区切り。

「あ、ごめん!」

「まったく。カリンとパックは放っておくと、すぐふたりの世界に突入してしまうな。まぁ、気の合う友人との語らいだ。誰でもそうなるか」
 
「……カリン!!」

 パックに結構な声量で名前を呼ばれた。何事?

「うわなに!? 急に大声なんてどうしたの、パック。びっくりしたじゃん」 

 スーの静かな呟きの直後だったから、ますます大声に聞こえたのかも。パーティー会場は響きやすい構造だし、パックも元々よく通る声だし。

「私たちのコンビ名ですよ!! 『カリンtoパック』というのはいかがでしょうか!?」 

「あ~……。『世紀の大発見です! スーに感謝しなくては!』みたいなテンションになってるとこ非常に申し訳ないんだけどね? 普通に検索性が低すぎるし、表記によっては先駆けがすでにいるから却下で」

「そうですか。……残念です」  

 まぁあれは番組名だ(った)けど、噓も方便ってやつ。正直に『ダサいから』って拒否して傷つけるのは不本意だったしね。
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