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We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【21】
しおりを挟む「そうだね。やめとく。持ち帰るのも一苦労だしね」
甲子園の土とか星の砂とかあんな感じのお土産にならないかって一瞬考えたけど、リスクがデカすぎる。
実入りもよくなさそうだし、売れ残った場合、虚無缶と強制的に同棲することになるからね。
同じ売れ残りでも、過去の同人誌だったら、あとになってハマったピカピカのジャンル一年生のための在庫たりうるけど、冥界の空気なんて詐欺用のアイテムじゃなかったら逆に怖いレベルの特級呪物じゃん。
そんなブツに生活空間圧迫されとうないんじゃぁ^~。
「理由はおいといて、踏みとどまってくれてよかったよ」
ヴィニーが汗を拭う仕草をした。
汗だって掻くんだもんな。やっぱりどこから見ても人間だよ。身体機能とかどこまで似せてるんだろう。
そういや、いまになって思うと、あの場にいた人たちって本当に人間だったのかな?
本当はみんなと同じで、ヒトに見えてヒトじゃない何者かだったんじゃ……。
「…………あ!」
「うふふふ。どうしたの?」
「まさかとは思うんだけどさ……そっちも入れ替わってたり…………した?」
ヴィニーの仕草のおかげで、ある考えが浮かんできた。
今度のは詐欺紛いの冥界エアー販売計画よりずっと正統な閃きだと思う。思いたい。
「そっちというのは、具体的になにとなにだ?」
「ボランティアの人とゴミ。……言ってて自信なくなってきたけど」
『突拍子もないことを』とは思うけど、みんなの正体がゴミそのものですらなく怨念なんていう形を持たないものだという告白をあえて真に受けてみるなら、技術的には可能な気がした。
「さすがです、カリン。その通りですよ。貴女が『これまでのハロウィンとは違う』と気付いたときには、すでに貴女以外のボランティアの方は、別の場所に退避済みでした」
「結構最初のほうじゃん。あと『別の場所』って?」
「それはまたあとでお話しします」
パックがぴしゃりと言い放った。
「アッハイ」
「話を戻しますね。貴女がボランティアだと思い込んでいたのは、ボランティアのために集まった本物の方々ではなく……ポイ捨てをした人々でした」
「路上に捨てられたゴミと、そのゴミを捨てた人間が入れ替わってるなんて、まさか誰も思わないもんね~」
「じゃあ、私がゴミだと思って拾ってたのって…………」
ずっとゴミだと思い込んでいた物の正体に行き着いても、かわいそうだという感情はこれっぽっちも湧いてはこなかった。
正直、いい気味だと思ったくらいだ。
だって、犯した罪にぴったりの罰じゃないか。これに勝る罰なんて存在しないとすら思う。
でも、ひどい悪臭を放つゴミを拾ったときなんかとは比べ物にならない不快感が拭えず、渋い顔をしていると。
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