“Boo”t!full Nightmare

片喰 一歌

文字の大きさ
上 下
99 / 119
We hope your Halloween is a ”Treat”!

We hope your Halloween is a ”Treat”!【19】

しおりを挟む

「じゃあ、街全体が冥界の一区画で、ゴミ拾いしてる時点で招待されちゃってた……とか?」

 思いつく限りの可能性を並べてみるけど、どれも違うんだろうな~ってのは、なんとなく訊く前からわかってた。
 
「…………まあ、話せないことなんだったら、別にそれでいいんだけどさ。どういう仕組みかも見当つかないし、入口どこにあったかも全然わかんなかったんだよね。謎技術すごすぎ。いや、作った神様ののうりょ……権能……? がすごいのかな? 感心してる場合じゃないけどさ」

 話してるうちにみんなの顔色を窺おうとしたけど、わっかんね!!
 
「ああ。それでしたら、拍子抜けしてしまうくらいに簡単な仕掛けですよ。んです」

 パックは呆気なく、しかもなんてことない風に教えてくれた。

 もっと勿体つけても許される内容だったと思うけどな?

 この男……何か変……?

「それのどこが簡単なわけ……?」

「うふふ。だよねぇ」

「ああ。仕組みを説明するのは簡単だが、こんな大掛かりな仕掛け……できたとしても、しないだろうな。よほどの物好きでもない限り」

 スーの苦笑には、どことなく尊敬の念が見て取れた。 

「あ~……。つまり、『それを実際にやっちゃったやってのけた店長は相当な物好き』ってことね……」
 
「……そういえば、カリンは『ゴミ拾いが異様に早く終わったこと』にも『人がだんだん減っていたこと』にも気付いていたな」
 
「あのときはどうしようかと思ったよぉ」

「そうそう。誤魔化しきれないかと思ったよね~……」 

 口々に言う一同。おいおい君たちマジか。隠す気満々だったんやないか!

「あれこれ言ってたの、結局、嘘だったんじゃん!」

 特に最後! この失言ポリスめ!

「……うん。そう、嘘。ほんとごめんね」

 相手がヴィニーじゃなかったら『謝罪に回文を混ぜ込むな!』って突っ込んでたところだよ。

 いや、他の三人でも普通に許してた説あるな。

 混ぜご飯美味しいよね。炊き込みご飯も好きだけど、あとから思い立ってパパッと作れるのが嬉しい。

「私たちは貴女の推理力と勇気を侮っていたようです。申し訳ありませんでした、カリン」
 
「いいけどさ。そっちにも事情とか面倒な決まり事とかあっただろうから。……にしても、どこで私は冥界に足を……?」

 パックの綺麗な四十五度(推定)のお辞儀を見つめる私の首は右に傾いていく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...