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We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【19】
しおりを挟む「じゃあ、街全体が冥界の一区画で、ゴミ拾いしてる時点で招待されちゃってた……とか?」
思いつく限りの可能性を並べてみるけど、どれも違うんだろうな~ってのは、なんとなく訊く前からわかってた。
「…………まあ、話せないことなんだったら、別にそれでいいんだけどさ。どういう仕組みかも見当つかないし、入口どこにあったかも全然わかんなかったんだよね。謎技術すごすぎ。いや、作った神様ののうりょ……権能……? がすごいのかな? 感心してる場合じゃないけどさ」
話してるうちにみんなの顔色を窺おうとしたけど、わっかんね!!
「ああ。それでしたら、拍子抜けしてしまうくらいに簡単な仕掛けですよ。カリンのいた元の都市と冥界の一区画を入れ替えたんです」
パックは呆気なく、しかもなんてことない風に教えてくれた。
もっと勿体つけても許される内容だったと思うけどな?
この男……何か変……?
「それのどこが簡単なわけ……?」
「うふふ。仕掛け自体は大掛かりだよねぇ」
「ああ。仕組みを説明するのは簡単だが、こんな大掛かりな仕掛け……できたとしても、しないだろうな。よほどの物好きでもない限り」
スーの苦笑には、どことなく尊敬の念が見て取れた。
「あ~……。つまり、『それを実際にやっちゃった店長は相当な物好き』ってことね……」
「……そういえば、カリンは『ゴミ拾いが異様に早く終わったこと』にも『人がだんだん減っていたこと』にも気付いていたな」
「あのときはどうしようかと思ったよぉ」
「そうそう。誤魔化しきれないかと思ったよね~……」
口々に言う一同。おいおい君たちマジか。隠す気満々だったんやないか!
「あれこれ言ってたの、結局、嘘だったんじゃん!」
特に最後! この失言ポリスめ!
「……うん。そう、嘘。ほんとごめんね」
相手がヴィニーじゃなかったら『謝罪に回文を混ぜ込むな!』って突っ込んでたところだよ。
いや、他の三人でも普通に許してた説あるな。
混ぜご飯美味しいよね。炊き込みご飯も好きだけど、あとから思い立ってパパッと作れるのが嬉しい。
「私たちは貴女の推理力と勇気を侮っていたようです。申し訳ありませんでした、カリン」
「いいけどさ。そっちにも事情とか面倒な決まり事とかあっただろうから。……にしても、どこで私は冥界に足を……?」
パックの綺麗な四十五度(推定)のお辞儀を見つめる私の首は右に傾いていく。
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