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We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【18】
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「……そうじゃん。私が言いたかったのそれだわ! めっちゃ勘違いしてた。ありがとう!」
制度についても、訂正してくれたとおりだ。
「『生きてるあいだに自分が犯してきた罪が清算しきれなかった』ってことだもんね。その分を支払わされる、と。よくできたシステムだね」
あらゆることへの理解が雑だからそうなるんだよね。なにかと誇張しがち&物騒な言葉を選択しがちなオタク仕草を猛省した。
「カリンは理解が早いねぇ」
「はいはい! チルちゃんに付け足し! 『死期が近付いた人間を迎えに来る存在でもない』んだよね~、死神さんたちは」
「……どういうこと?」
『死期を迎えた瞬間、一思いにザシュッ』的な?
「では、私はヴィニーの言葉に補足をしましょう。間違ったことはなにも言っていませんが、その言い方は少し誤解を招いていそうなので。彼らはいわば『死んで肉体から分離した魂を回収する係』です。それ以外のことはできませんよ。……良くも悪くも」
首を捻ってたら、パックが全部解決してくれた。しゅごい。
そういえば、さっきも『人の命を奪うことはない』って言ってたし。三秒経ったら忘れるのかな?
まぁでも、カリンさんのおつむのお粗末さなんかより、いまの三段階説明、三妖精がオーロラ姫に祝福を贈るシーンみたいじゃなかった!?
……いや、そうでもないか。ないな。こんな物騒じゃなかったもんな。もちつけ。
「あ~、そっか! 俺の説明だと、『“死神さんたちが直接手を下してるわけじゃない”って証明まではできてなかった』んだね。ありがと、パック」
「おわかりいただけたようで、なによりです」
「死神の概念、一気に覆ったな」
死神なんか怖くない♪ 思わず歌い出したくなっちゃうね。
「そうでしょう? ですから、私たちも決して怖い存在ではあ「いや、いつもじゃないけど、怖いときあるって自覚はしててほしいかな!」
なのに、歌うどころじゃなくなって、途中で遮っちゃったよね。
「そうですか?」
「そうだよ!」
いや待て、なんか忘れてる気が……忘れてるどころじゃなくて、この話題がそもそも横道だったような?
なんでそんな手間のかかることしたかってのは……まぁ、復讐とやらに関係してるだろうし、もっと先に訊くべきこともあるのはわかってるんだけど、とにかく気になってて単純に知りたいことがあるんだった。
「一区画ってだけ聞くと大したことなさそうだけど、冥界なんて地球全土も目じゃないくらい、めちゃくちゃ面積ありそうじゃん。ぶっちゃけ、どこからどこまでが冥界なの?」
「範囲が気になるんだな」
「そう。物質的に再現されてるのはどこまでなのかと思って。この屋敷の周辺だけが冥界で、見える景色はなんかすごい力でプロジェクションマッピング的に映し出してる?」
と尋ねても、スーの表情は変わらない。
制度についても、訂正してくれたとおりだ。
「『生きてるあいだに自分が犯してきた罪が清算しきれなかった』ってことだもんね。その分を支払わされる、と。よくできたシステムだね」
あらゆることへの理解が雑だからそうなるんだよね。なにかと誇張しがち&物騒な言葉を選択しがちなオタク仕草を猛省した。
「カリンは理解が早いねぇ」
「はいはい! チルちゃんに付け足し! 『死期が近付いた人間を迎えに来る存在でもない』んだよね~、死神さんたちは」
「……どういうこと?」
『死期を迎えた瞬間、一思いにザシュッ』的な?
「では、私はヴィニーの言葉に補足をしましょう。間違ったことはなにも言っていませんが、その言い方は少し誤解を招いていそうなので。彼らはいわば『死んで肉体から分離した魂を回収する係』です。それ以外のことはできませんよ。……良くも悪くも」
首を捻ってたら、パックが全部解決してくれた。しゅごい。
そういえば、さっきも『人の命を奪うことはない』って言ってたし。三秒経ったら忘れるのかな?
まぁでも、カリンさんのおつむのお粗末さなんかより、いまの三段階説明、三妖精がオーロラ姫に祝福を贈るシーンみたいじゃなかった!?
……いや、そうでもないか。ないな。こんな物騒じゃなかったもんな。もちつけ。
「あ~、そっか! 俺の説明だと、『“死神さんたちが直接手を下してるわけじゃない”って証明まではできてなかった』んだね。ありがと、パック」
「おわかりいただけたようで、なによりです」
「死神の概念、一気に覆ったな」
死神なんか怖くない♪ 思わず歌い出したくなっちゃうね。
「そうでしょう? ですから、私たちも決して怖い存在ではあ「いや、いつもじゃないけど、怖いときあるって自覚はしててほしいかな!」
なのに、歌うどころじゃなくなって、途中で遮っちゃったよね。
「そうですか?」
「そうだよ!」
いや待て、なんか忘れてる気が……忘れてるどころじゃなくて、この話題がそもそも横道だったような?
なんでそんな手間のかかることしたかってのは……まぁ、復讐とやらに関係してるだろうし、もっと先に訊くべきこともあるのはわかってるんだけど、とにかく気になってて単純に知りたいことがあるんだった。
「一区画ってだけ聞くと大したことなさそうだけど、冥界なんて地球全土も目じゃないくらい、めちゃくちゃ面積ありそうじゃん。ぶっちゃけ、どこからどこまでが冥界なの?」
「範囲が気になるんだな」
「そう。物質的に再現されてるのはどこまでなのかと思って。この屋敷の周辺だけが冥界で、見える景色はなんかすごい力でプロジェクションマッピング的に映し出してる?」
と尋ねても、スーの表情は変わらない。
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