“Boo”t!full Nightmare

We hope your Halloween is a ”Treat”!

We hope your Halloween is a ”Treat”!【12】

「…………」　

　コンセプトストーリーとして聞かせてもらったことが一から十まで真実だとしたら……。

　思い出さないことには始まらないけど、思い出す必要もなかっしっかり覚えてたりする。

　期待以上に刺さった話の内容だし、聞いたばっかだからね。

　……すんません。読者各位にはバレてると思うけど（かなり間が空いちゃったとはいえ数行前の出来事ぞ？）、いまちょっとずつ思い出してきてるところ。

　容量パンパンのスマホにデカめのゲームデータのダウンロードしてるみたいなもんだから、亀の歩みだけどね！
　
「……なら、みんながここにいる理由は『復讐のため』ってことになるけど……それについても訂正はなし？」

「うふふ。そうだねぇ」

　どっちつかずにも聞こえるチルの返事は肯定なんだと思うけど、本当にそうならちょっとおかしい事にならないかな。

「けど、そしたらまた別の疑問が湧いてくるっていうか……これもう聞いちゃったほうが早いかな。またその質問かよって思われるかもだけど、答えてくれてたら何度も同じ事聞いてないそろそろ答えてくれると助かるんだけど」

　みんながポイ捨てされたゴミの集合体だとして、あの話にあった通りに美しい姿を得て人間たちに溶け込んだなら、ここが私の知ってる街じゃないと一気に破綻しちゃわない？　

　仮にここが異世界だとしたら、わざわざ美しい姿取ってる必要ない……どころか、人間に擬態する必要もないわけじゃん。

　だから、そこんとこどうなのかなって。

　誰にも褒めてもらえないだろうから自画自賛しちゃうけど、なんかいまの私、めっちゃ冴えてなかった！？
　
「なんで私がここにいるの？」
　
　『年一だけだろ』って指摘されたら一発アウトだけど、初めてゴミ拾い参加してからは毎年皆勤賞だし、参加者の中でもなかなか頑張ってるほうだと思う。

　つまり、第二第三の悲しき存在の誕生を食い止めるのに一役も二役も買ってる訳で。

　復讐対象に該当しない私を騙す旨味も皆無じゃない？

「……知らないほうが幸せだとしても、同じことが言えるか？」

　悶々としてたら、仏頂面なスーが聞いてきた。

　話してくれる気は一応あるっぽいけど、話したいか話したくないかで言えば完全に話したくない雰囲気醸し出してる。

　君も大概、女性向け二次創作の注意書きっぽいムーブするよね！
　
　わかってるんだよ、みんながいい人だってことは。

　でもね！　中途半端にネタバレされるくらいなら、全部教えてほしいタイプの人間だっているんだよ！！

　おかわり！（空になった茶碗を手渡す）　

　……違った。

　おわかり！？！？（教壇に手を叩きつける）
　
　このなんとも言えないもどかしい感情、たぶん『正しいはずのパスワード入力してるのに、なぜかエラー吐かれるときの焦りと怒り』だ。

　あとになってサーバー側の問題だったってわかるやつ。

　あーね。サーバーだって万能じゃないし、そういうこともあるけどね。