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We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【4】
しおりを挟む「毎年、屋台飯食べながら花火見てるんだよね~」
ヴィニーも窓の外に視線を向けた。
「ここにいる全員人混みが好きではないから、屋台飯も自前だがな」
「屋台飯って言っていいのかなぁって感じだけどねぇ」
なのに、ゴミ拾いしてたとか。ぐう聖。
「ええ。ですが、購入したものより私たちの手作りのほうが美味しいですし、丁度いいんですよ」
パックはちょっと毒を吐いたけど、確かに『自分で作ったほうが旨いが?』ってなる屋台飯に当たることはなくもないよね。
食の好みは人それぞれだから仕方ないけど、明らかソースケチった焼きそばとか独特の中華麺臭が鼻について、旨いまずい以前の問題作じゃん。
「屋台で売ってるのもちゃんと美味しいって! 確かにパックの腕前はプロ級だし、当たり外れないけどさ~」
屋台で働く人をフォローしつつのパックage。私でなきゃ見逃しちゃうね。
「え、いいなー! 来年のお祭りもまた来ていい?」
『パックと屋台飯、親和性なさすぎてめっちゃ気になる!』と思ったら、そんな事を口走っていた。
厚かましいよね。わかる。私だって口に出すつもりはなかったんだわ。
「……ええ、もちろんです」
「ありがとう! 次はちゃんとお土産持ってくるから!」
心底感謝ッス!
「……そうか。楽しみにしている。このあたりの銘菓でもいいぞ」
スーはにやりとした。
「指定してるっぽく聞こえるけど選択肢多すぎな!?」
首都の名前を冠した巨大なターミナル駅構内を頭に浮かべる。
いつ行っても人でごった返しているそこで購入できるお菓子は、一体何種類にのぼるのだろう。
おいしそうな匂いが充満してるから、観光客じゃなくても通りがかるとつい食べたくなっちゃうんだよね……。
「なんでもいいってことだよぉ。ほんとはお土産なんてなくてもいいし」
「ま、まぁ次も忘れる可能性はなきにしもあらずだけど……私、そんなに信用ないか?」
「アハハ! みんな勝手でごめんね。またカリンちゃんに会えるだけで嬉しいってことなんだ~って思っといて」
ヴィニーはウインクを飛ばした。
このモテ男がよ。かわいいな。おひねりあげたい。お胸のポッケか名状しがたいえちちベルトに挟んであげようね~。
せんせー! 所持金/Zeroのうっカリンさんがなにか言ってまーす!
「えー? 調子よすぎでしょ!」
私は来年夏の予定が入ったことに浮かれてしまっていて、みんなの寂しそうな表情には全然気付くことができなかった。
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