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We hope your Halloween is a ”Treat”!
We hope your Halloween is a ”Treat”!【3】
しおりを挟む「マリンタワーいいよね! 俺も好き~♪」
スルーされると思ってたトンチンカンな回答に賛同してもらえた。やったぜ。
「住んでるところの景色なんて、わざわざ見ようと思わないよねぇ」
「ええ、地域限定銘菓と同じですね。私たちだって、このあたりの銘菓を食べる機会なんてそうそうないですし」
みんなヤサシス。現代のインターネッツじゃ滅多に遭遇できないヌクモリティに感謝。
「せっかくだし観ていけばいい。カリンの家から見る景色とも少し違うだろうしな」
「そうそう。こんなに大きい窓がある家も珍しいだろうし!」
というヴィニーの言葉で、改めて窓のほうに視線を送る。
「言われてみたら、この部屋のカーテン相当ビッグサイズどころじゃないな? ギガンティックサイズ?」
しかも、大きいだけじゃなくて高いの。天井高いから当たり前なんだけどビビるわ。
「確かに巨大だな。僕たちの手には余る」
「元は寮だからねぇ」
カーテンを開けてくれたのは、窓際に移動していたチルだった。遠くから声が聞こえると思ったら。
「すまない、チル。もう片方は僕が」
それを見たスーが、さっと移動する。
『見るからに重そうなのに全然しんどそうじゃない。すごい』とか思ってる場合じゃなかった。アイムソーリーヒゲソーリー。墓から出てくるのはゾンビー。なんちゃって。
こっそり死語でニタニタしてないでその程度はしろよ、お客人。お前は手土産さえ持ってこなかったことをもう忘れたのか?
「うふふふ。スー、ありがとねぇ」
ところでおわかりいただけただろうか。窓が超巨大であるがゆえにカーテンも超巨大で、一人の人間が両手で開けられるサイズではなかったのが。
長年使われてなかったこのお屋敷を掃除したとか言ってたけど、流石にそのときは外注したはずだよね?
いくらみんながハイスペイケメン集団だからってそんなこと……いともたやすくこなしてそうで怖いが?
「…………わ、ほんとだ! 家からこんな景色見えたら、わざわざどっか出かけなくてもいいね」
そんな考えも目の前に広がった景色を見た途端、綺麗さっぱり消えてしまった。
だって、個人宅から見渡せる範囲なんて、たかが知れていると思っていたから。
「高層から見る夜景には及ばないでしょうけど……」
パックの言う通り、プロポーズに使われる高級レストランからの眺めと違ってキラキラでいかにもな感じじゃないけど、意外と遠くまで見渡せる。
「えー、これ毎日見えるの超お得じゃん! 贅沢だなぁ、パックは」
「フフ、そうですね。恵まれているのも考えものということでしょうか。ともあれ、気に入っていただけたようで安心しました」
「うふふ。夏は花火も見えるんだよぉ」
チルは夏の思い出を振り返っているのか、目を細めている。
顎撫でられてるときのネコチャンみたい。ヨスヨスしてぇ。
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