“Boo”t!full Nightmare

片喰 一歌

文字の大きさ
上 下
74 / 119
Happyyy Halloweeeen!

Happyyy Halloweeeen!【17】

しおりを挟む

 そのへん補強してくれるエピソードでも出てくればいいんだけどな、なんて思っていたところにヴィニーの順番が回ってきた。

「『彼らは冥界の主から授かった美貌に加え、それに見合う言動や振る舞いを身につけて、瞬く間に人々を魅了しました。恋は盲目と言いますが、恋に限らずとも、好いた相手を前にしたとき……人は判断が鈍るものです』」

 ここで声色変えてくるとか。お金取れるよ、マジで。マルチな才能。どこでも食っていける人材。金輪際現れないなんちゃらの生まれ変わりか? 

 ……っていう私の感想、まさにヴィニーが話してた内容とリンクするよね。

 贔屓目とか欲目とか言い方は色々あるけど、比較対象全部を公平に見るなんて無理だって事。ただの歌詞引用定期。
 
「『彼らはそこに目を付けました。油断を誘うために、人々の心を掴む事に腐心したのです。計画が露見してはいけませんから。そして、街中の人間の信頼を勝ち得ると……美しい魔物たちは、人々を特別な催しに招待します。その時期は、誰もが心待ちにしている、お祭りの季節でした』」

 ちょうどとか言ってるけど白々しくない?
 
 元々ゴミだった子たち的にはそうなんだろうけど、冥界の主くろまくさんは人間たちの警戒心が解けるみんなが受け入れられる頃を逆算してたんじゃないの。
 
 冥界での仕事って果たすべき義務でしかなくて、報酬ゼロっぽくない? 神話の有力な説がどうとかじゃなくて、あくまでこの話では。

 冥界に来る魂は大体が元人間なんだろうし、ハデス(仮)的には『常に繁忙期だっていうのにイレギュラーな追加業務(※しかもクソめんどい)が発生した』みたいな状況だったんじゃないかって……考えまとめてるだけで憂鬱になってきた。

 なんで急にこんな事を話し出したかっていうと、『対応してやる必要なんてどこにもないお客様の願いを一方的に叶えてやるだけじゃ割に合わない。図々しい奴らだけど、ちょうどいい。恩を着せて利用してやろう』みたいな悪心がハデス(仮)に芽生えたんじゃないかと思って。

 普段どんなに優しい神様だとしても、オーバーワークで疲労困憊、追い詰められてる状態じゃ普段通りってわけにはいかないじゃん。

 最初に交換条件を提示したときはまだそこまで具体的な策は詰めてなかったっぽいけどね。

「『そのお祭りの起源は古く、収穫を祝うためのものでしたが、お祭りの行われる日は夏の終わりと冬の始まり……。すなわち季節の切り替わりでもあり、その日は冥界と人間界の境界がなくなってしまうとされていました。そのため、死者たちが現世に里帰りする事が出来るだけではなく、悪霊がやってきて生者を冥界に連れ去る事も出来てしまうというわけです』」

 ハロウィンの起源ですね、わかります。チルの話に頷く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幸せの嘘

チンアナゴ🐬
ライト文芸
颯汰、悠雅、健悟、海、奏斗の五人は大の仲良し。放課後は、毎日のように公園に集まって遊んでいる。颯汰は、そんな日々が宝物だった。 そんなある日、悠雅が病気で倒れた。 今、五人の思いが交錯する。

人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々
ミステリー
「誰が……誰が人狼なんだよ!?」 「用心棒の人、頼む、今晩は俺を守ってくれ」 「違う! うちは村人だよ!!」  『汝は人狼なりや?』  ――――Are You a Werewolf?  ――――ゲームスタート 「あたしはね、商品だったのよ? この顔も、髪も、体も。……でもね、心は、売らない」 「…………人狼として、処刑する」  人気上昇の人狼ゲームをモチーフにしたデスゲーム。  全会話形式で進行します。  この作品は『村人』視点で読者様も一緒に推理できるような公正になっております。同時進行で『人狼』視点の物も書いているので、完結したら『暴露モード』と言う形で公開します。プロット的にはかなり違う物語になる予定です。 ▼この作品は【自サイト】、【小説家になろう】、【ハーメルン】、【comico】にて多重投稿されております。

彼氏と親友が思っていた以上に深い仲になっていたようなので縁を切ったら、彼らは別の縁を見つけたようです

珠宮さくら
青春
親の転勤で、引っ越しばかりをしていた佐久間凛。でも、高校の間は転校することはないと約束してくれていたこともあり、凛は友達を作って親友も作り、更には彼氏を作って青春を謳歌していた。 それが、再び転勤することになったと父に言われて現状を見つめるいいきっかけになるとは、凛自身も思ってもいなかった。

フェンリルさんちの末っ子は人間でした ~神獣に転生した少年の雪原を駆ける狼スローライフ~

空色蜻蛉
ファンタジー
真白山脈に棲むフェンリル三兄弟、末っ子ゼフィリアは元人間である。 どうでもいいことで山が消し飛ぶ大喧嘩を始める兄二匹を「兄たん大好き!」幼児メロメロ作戦で仲裁したり、たまに襲撃してくる神獣ハンターは、人間時代につちかった得意の剣舞で撃退したり。 そう、最強は末っ子ゼフィなのであった。知らないのは本狼ばかりなり。 ブラコンの兄に溺愛され、自由気ままに雪原を駆ける日々を過ごす中、ゼフィは人間時代に負った心の傷を少しずつ癒していく。 スノードームを覗きこむような輝く氷雪の物語をお届けします。 ※今回はバトル成分やシリアスは少なめ。ほのぼの明るい話で、主人公がひたすら可愛いです!

【第一章完】からくり始末記~零号と拾参号からの聞書~

阿弥陀乃トンマージ
歴史・時代
 江戸の世に入って、しばらくが経った頃、とある老中のもとに、若い女子が呼び寄せられた。訝しげに見つめる老中だったが、その女子は高い実力を示す。それを目の当たりにした老中は女子に、日本各地に点在している、忌まわしきものの破壊工作を命じる。『藤花』という女子はそれを了承した。  出発の日の早朝、藤花の前に不思議な雰囲気の長身の男が立っていた。杖と盾しか持っていない男の名は『楽土』。自らが役目をこなせるかどうかの監視役かなにかであろうと思った藤花は、あえて楽土が同行することを許す。  藤花と楽土は互いの挨拶もそこそこに、江戸の町を出立する。

藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり

Keitetsu003
ライト文芸
 このお話は「風紀委員 藤堂正道 -最愛の選択-」の番外編です。  藤堂正道と伊藤ほのか、その他風紀委員のちょっと役に立つかもしれないトレビア、雑談が展開されます。(ときには恋愛もあり)  *小説内に書かれている内容は作者の個人的意見です。諸説あるもの、勘違いしているものがあっても、ご容赦ください。

詩集

篁 しいら
ライト文芸
詩の保存場所です。 各ページ毎にある日時は、過去作の制作日です。 よろしくお願いします。

中二病でも、恥ずかしい “ 創作言葉 ” 集!

越知鷹 けい
青春
俺の4文字漢字は、ひとあじ違うぜッ‼ ファンタジーを考えていたら思いつく“ 創作言葉 ” を綴ってみました 恥ずかしくても、ほっこりする内容にしています! ※版権がないと思うので、ご自由にお使いください(*'▽')

処理中です...