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It's time 4 a coffin break!
It's time 4 a coffin break!【14】
しおりを挟むそういえばさっき『手が空いていないし、足を延ばせない』って言ってたけど、ただ忙しいだけじゃなくて物理的に遠い場所にいる可能性もあるのか。
本社が関西とかの主要都市にあって、そっちで重要なポストに就いてるけど、人手不足だからみんなの働くお店で店長も兼任してるとか? メインじゃなくサブ……いや、名目上の店長?
ハッハッハ、面白い推理だ探偵さん。なんでもハロウィンにこじつけないと気が済まないのかね?
私が思いついたにしてはありそうな説だけど、その場合も『どうしてその人が遠く離れた店舗の店長まで兼任する事になったのか』みたいな話になってくるから、きっとこれも不正解。
「……へぇ、やっぱ名物店長みたいな感じなんだ」
まぁいっか、もうこの事について考えるのはやめよう。普通の人だと思ってた人がレジェンド級の人だったなんて稀によくあるし。
「ええ。ですが、使用者のいなくなったあともこの館を所有し続けた理由については、私たちも知りませんね。こんな一等地ですし、維持費も嵩むでしょうに……。きっとそうまでしても手放せない、取り壊せない事情があったんでしょう」
「……じゃあ、ここもある意味いわくつき物件なのかもね」
「アハハ! そうかも?」
ヴィニーの楽しそうな笑い声は尊いけど、大島てるに載ってないだろうな?
「そうかもって……怪奇現象とか起きてないの?」
「体験した人、いる?」
チルはみんなを見回した。そんなマイキーみたいに言わなくても……と思ったけど、三人とも気にしてないみたいで普通に頷いてる。
「もしあっても、気付かなければないのと同じだ」
というスーの言葉にまたも頷く一同。みんな肝が据わってるっていうかなんていうか。
「まぁそうなんだけどさ」
私がここに住むわけじゃないし。でも、ここにいる間には絶対出てこないでほしい。
「……そろそろパンプキンプリンが出来る頃か。様子を見てこよう。食べ頃だったら持ってくる」
心の中でいるかもわからないおばけに念じてたら、スーが立ち上がった。
大胆に話題を変えてきた事もそうだけど、もうそんなに時間が経っていた事にもびっくり。なんか今日、時間の感覚狂いっぱなしだけど、大丈夫か私。
「ほんとだ。よろしくねぇ」
チルはマカロニチーズをおかわりしながらスーを見送った。何個のマカロニがその胃袋に吸い込まれていった事か。
爆食してるはずなのに、テーブルの上のマカロニチーズは全然減ってるように見えない。もしかして可愛いマカロニモンスターのために多めに作っておいたのかもしれない。優しい世界。
でも、お野菜もちゃんと食べてねチルちゃん。やさいせいかつ。ここまでテンプレ。ここからテンプラ……はダメダメ。
白い粉の中毒性舐めたらいかんぜよ。この言い方は誤解を招くからもっとダメだね。
でも、砂糖とか小麦粉とか……この世のおいしいものって大体白い粉で出来てるし。粉ものうまうま。ヤバいクスリより簡単に手に入る分、危険性はどっこいどっこいなんじゃ……?
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