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It's time 4 a coffin break!
It's time 4 a coffin break!【8】
しおりを挟む「へぇ、そうだったんだ。なら、みんなの衣装はお店のイベント用のって事か。いい店長サンだね。でも、いくら最終日だったっていっても仕事着なのは変わんないじゃん。そんな大切な衣装で参加してよかったわけ?」
「カリンちゃん、毒は吐くけど真面目だよね~」
真面目とか小学校の通知表ぶりの評価だけど、みんなの言う事には揶揄する意図はないから素直に受け取れる。
「結論から言うと問題ない」
「うふふ。店長からも『使い回す予定はないし、その衣装はキミたちにあげる。オレが着るわけにもいかないしねえ。捨てるでもなんでも好きにしていいよ。来年はまた別の用意するし、楽しみにしてて♪』って言われてるから」
「声そっくりじゃないですか」
とパックが拍手を送る。どうやらチルは店長の物真似をしてくれていたらしい。勝手なイメージとしては『食えない優男』?
「なるほど太っ腹」
いい店長だけど、どんな人なんだ……? 意外と若そうな口調で、気前が良くて……。ソシャゲだったらスーツの似合うお茶目系人外とかが出てきても驚かない。
授業に乱入してきそうなカラスとか。どう考えても学園長ですありがとうございました。でも、学園長はケチだからきっと似ても似つかないね。私は店長派。一回会ってみたいな。
「まぁ普段着にしろってのは厳しいし……。部屋着って素材でもないし、用済みかつ着る予定もない服だったって事か。確かにそれなら今日くらいは着とこうって気になるね」
「うん、そんな感じ! 着替える時間はあったんだけどね~、ボランティア終わったらここでパーティーするって事も考えると……」
「別に着替えずとも良いのではと」
「ああ。こんな日にはこのくらい浮かれた恰好がちょうどいいだろうと思ってな」
「……じゃあさ、パックの『死後も彷徨える魂を導く神父』だっけか。あれみたいに、他のみんなもなんか仮装のテーマ設定してたりするの?」
衣装についての疑問が解けたところで次の質問に移った。
「仮装のテーマとは違うけど、名前の設定だったらあるよ」
軽い好奇心で聞いてみただけだったけど、みんなにとってはそうじゃなかったみたい。
四人がそれぞれ目配せしたあと、ヴィニーが躊躇いがちに話し出す。え、そんなに聞いちゃいけない事だった?
衣装の事について尋ねたのに、なんだか煙に巻かれた気分。いいけどね。言いたくない事吐かせる趣味もないし、仮装のテーマと同じくらい楽しそうな話題だし。
「名前?」
でも、由来じゃなくて設定って? 訳がわからない。バカみたいに首を捻ってオウム返しするしかなかった。
「そうだ」
「私たちが同じカフェで働く仲間だという事はお話ししたでしょう? 実は私たちが呼び合っているのは『勤務中に使用している名前』なんです」
簡潔なパックの説明で理解した。つまり、私が本名だと思い込んでたものは……。
「通り名……みたいな?」
名前の響きからして日本人じゃないのは予測してたけど、どこの国の名前かまではわからなかったし、本名じゃない可能性については一ミリも考えてなかった。
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