45 / 119
It's time 4 a coffin break!
It's time 4 a coffin break!【3】
しおりを挟む「で、話したい事ってのは?」
「うん。大した事じゃないんだけどね」
「雑談でもなんでもどんとこい! 人と話すの嫌いじゃないし、遠慮しないで」
(屮゜Д゜)屮カモーン←思わずこのジェスチャーしちゃったよ。
「うん。えっと…………違ったらスルーしてね? もしかしてなんだけど……こういう集まり、あんまり好きじゃなかったかなって心配になって」
赤の他人だからこそ出来る悩み相談かなんかだと思ってたら、まさかの議題:私。
「え、なんでいまさらそんな事?」
確かにこういう集まり自体は好きじゃないけど、メンバーがみんなだから楽しいし、嫌だったら途中で帰ってるし。ずっと気にしててくれたのかな。
「せっかく長時間の無賃労働から解放されたのに、カリンが少しも喜び素振りを見せないからではないでしょうか」
長時間の無賃労働ね。volunteerの意味とはズレるにしても、実情としては大体合ってる。てかパックも気配消すの上手杉。世が世なら世界中に名を轟かせる暗殺者。暗殺者の名前が知れ渡るとか致命的だけど。
「ちょっと、パックってば直球すぎない? せっかく濁して言ったのに~」
「心配してそのような言い回しを選んだんでしょう。ヴィニーが器用なのか不器用なのか、何万年一緒にいても私には判断がつきません。本当に食えない人ですね」
いつのまにか近寄ってきていたパックは恒例になったゴーストジョークを飛ばしつつ、完璧に盛り付けられた器をサーブしてきた。単品でも美味しそうだった料理たちがさらに美味しそうに見える。
「気にかけてくれててありがとう」
お礼を言ったら軽く会釈されたけど、通常の真顔(?)よりぎこちない。
「食えないって……パックにだけは言われたくないんだけど!」
笑うヴィニーを見て、パックも安心したように破顔した。
「今度は否定しないんですか? 『俺たち、人じゃないってば』って」
「そう言ってやるな。いくらヴィニーがポーカーフェイスといっても、図星を突かれて動揺する事くらい誰にでもあるだろう」
「うふふ。結局、スーに皆まで言われてしまったね?」
「ほんとだよ、もう……。あーあ、恥ずかしい!」
スーもチルも寄ってきた結果、だだっ広い空間なのにソファの一ヶ所に密集してる状態になった。わかっちゃいたけど、このメンバーよっぽど仲良しなんだな……。こんなに微笑ましい面積の無駄遣いってあるんだ。
「あははっ! あんたたち見てると、ほんと元気出る」
憂鬱な気分が完全に解消されたわけじゃなかったけど、私は声を上げて笑った。
四人に囲まれる構図、これでたぶん三回目じゃない? 前にされたときは二回とも切実にやめてほしいと思ってたけど、なんかいまは安心する。
座ってるから身長差が気にならないだけって可能性も否めないけどね。座高そんなに変わらないんだけど、脚の長さどうなってんのさ。
最近はアクスタ出す芸能人も多いけど、みんなの場合はアクスタが人間になっちゃったみたいだな……なんて考えてたら、ますます笑いが込み上げてきた。
「……よかったよ。笑ってくれて」
「うふふ、カリンが笑ってくれると安心するね?」
みんなのしてくれたこととまったく関係ない事で笑いが堪えきれなくなった私を、今日はなんと、天ぷらにですね。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
女男の世界
キョウキョウ
ライト文芸
仕事の帰りに通るいつもの道、いつもと同じ時間に歩いてると背後から何かの気配。気づいた時には脇腹を刺されて生涯を閉じてしまった佐藤優。
再び目を開いたとき、彼の身体は何故か若返っていた。学生時代に戻っていた。しかも、記憶にある世界とは違う、極端に男性が少なく女性が多い歪な世界。
男女比が異なる世界で違った常識、全く別の知識に四苦八苦する優。
彼は、この価値観の違うこの世界でどう生きていくだろうか。
※過去に小説家になろう等で公開していたものと同じ内容です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
おじいちゃんの遺影
チゲン
ライト文芸
死んだ祖父が夢枕に立って、交際間近の男性にあれこれケチをつけてくる。だったらご要望通り、吟味してもらおうじゃないの。と、彼を家に招待するのだが、そこに予期せぬ来客が現れて……。
2018年執筆(書き下ろし)。
小説投稿サイト『小説家になろう』にて同時掲載中。
天使ノ探求者
はなり
ライト文芸
元殺し屋の異能力者、夕凪糸音
殺し屋異能一家、夕凪家を出てからの約四年分の記憶を彼女は失ったが、あるものを探していた。それはずっと昔にあったもの。
それは人か物かそれとも、、、、、、
世界をも巻き込むほど入り組んだそれぞれの戦いの幕が上がる!!
御手洗さんの言うことには…
daisysacky
ライト文芸
ちょっと風変わりな女子高校生のお話です。
オムニバスストーリーなので、淡々としていますが、気楽な気分で読んでいただけると
ありがたいです。
可不可 §ボーダーライン・シンドローム§ サイコサスペンス
竹比古
ライト文芸
先生、ぼくたちは幸福だったのに、異常だったのですか?
周りの身勝手な人たちは、不幸そうなのに正常だったのですか?
世の人々から、可ではなく、不可というレッテルを貼られ、まるで鴉(カフカ)を見るように厭な顔をされる精神病患者たち。
USA帰りの青年精神科医と、その秘書が、総合病院の一角たる精神科病棟で、或いは行く先々で、ボーダーラインの向こう側にいる人々と出会う。
可ではなく、不可をつけられた人たちとどう向き合い、接するのか。
何か事情がありそうな少年秘書と、青年精神科医の一話読みきりシリーズ。
大雑把な春名と、小舅のような仁の前に現れる、今日の患者は……。
※以前、他サイトで掲載していたものです。
※一部、性描写(必要描写です)があります。苦手な方はお気を付けください。
※表紙画:フリーイラストの加工です。
ガールズ!ナイトデューティー
高城蓉理
ライト文芸
【第三回アルファポリスライト文芸大賞奨励賞を頂きました。ありがとうございました】
■夜に働く女子たちの、焦れキュンお仕事ラブコメ!
夜行性アラサー仲良し女子四人組が毎日眠い目を擦りながら、恋に仕事に大奮闘するお話です。
■第二部(旧 延長戦っっ)以降は大人向けの会話が増えますので、ご注意下さい。
●神寺 朱美(28)
ペンネームは、神宮寺アケミ。
隔週少女誌キャンディ専属の漫画家で、画力は折り紙つき。夜型生活。
現在執筆中の漫画のタイトルは【恋するリセエンヌ】
水面下でアニメ制作話が進んでいる人気作品を執筆。いつも担当編集者吉岡に叱られながら、苦手なネームを考えている。
●山辺 息吹(28)
某都市水道局 漏水修繕管理課に勤務する技術職公務員。国立大卒のリケジョ。
幹線道路で漏水が起きる度に、夜間工事に立ち会うため夜勤が多い。
●御堂 茜 (27)
関東放送のアナウンサー。
紆余曲折あり現在は同じ建物内の関東放送ラジオ部の深夜レギュラーに出向中。
某有名大学の元ミスキャン。才女。
●遠藤 桜 (30)
某有名チェーン ファミレスの副店長。
ニックネームは、桜ねぇ(さくねぇ)。
若い頃は房総方面でレディースの総長的役割を果たしていたが、あることをきっかけに脱退。
その後上京。ファミレスチェーンのアルバイトから副店長に上り詰めた努力家。
※一部を小説家になろうにも投稿してます
※illustration 鈴木真澄先生@ma_suzuki_mnyt
猫縁日和
景綱
ライト文芸
猫を介していろんな人たちと繋がるほっこりストーリー。
(*改稿版)
はじまりは777の数字。
小城梨花。二十五歳独身、ちょっとめんどくさがり屋のダメな女子。
仕事を辞めて数か月。
このままだと、家賃も光熱費も食費もままならない状況に陥ってしまうと、気が焦り仕事を探そうと思い始めた。
梨花は、状況打破しようと動き始めようとする。
そんなとき、一匹のサバトラ猫が現れて後を追う。行き着く先は、老夫婦の経営する花屋だった。
猫のおかげというべきか、その花屋で働くことに。しかも、その老夫婦は梨花の住むアパートの大家でもあった。そんな偶然ってあるのだろうか。梨花は感謝しつつも、花屋で頑張ることにする。
お金のためなら、いや、好きな人のためなら、いやいや、そうじゃない。
信頼してくれる老婦人のためなら仕事も頑張れる。その花屋で出会った素敵な男性のことも気にかかり妄想もしてしまう。
恋の予感?
それは勝手な思い込み?
もしかして、運気上昇している?
不思議な縁ってあるものだ。
梨花は、そこでいろんな人と出会い成長していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる