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We witch you a happy halloween!!
We witch you a happy halloween!!【6】
しおりを挟む「普段からパックが在庫管理をしっかりしてくれているおかげで、わりとなんでもいけそうだ。カリン、なにか作りたいものはないか?」
「ちなみにみんなが用意したやつってなに?」
「冷蔵庫を見て確認できたのはパンプキンパイとバームブラック、それからトフィーアップル。ボクスティは……スイーツと言えるかどうかといったところですけど、一応。ああ、それからテーブルにはキャンディコーンもありますね」
パックは一度も噛まずにすらすらと答えた。スタバのカスタムには負けるけど十分呪文の域。『聞き慣れない単語が耳すり抜けていく現象』ってなんか名前ついてるのかな。パンプキンパイくらいしか馴染みなくてわからんかった。
ついでに『知らない名前でも食べ物って事前に知ってるだけでどれも美味しそうな響きに聞こえる現象』の名前も知りたい。こっちはただ食いしん坊なだけか。
人名でも同じ事起きるし、食べ物って確定してなくても美味しそうな名前ってある。メニュー名みたいな。私は素材のほうだしのど飴感強いし、美味しそうって感じじゃない。
「ありがと。なんか全然聞いた事ない名前のお菓子あったけど、逆によかったかも! 出来れば被らないようにしたいじゃん?」
「同じのでも全然いいよ? そう思えないくらい作る人によって個性出るから」
「んー、でもビュッフェとかって種類あったほうがワクワクするし。やっぱりメニューから別にしたい!」
「なるほどねぇ」
「作りたい物は思いつくんだけどさ、どうせならハロウィンらしいのがいいって思うと迷うんだよね。みんなが用意したやつとは被ってなくて、簡単に作れて、ハロウィンぽいお菓子ってなんかあるかな?」
流石にそんな都合のいいメニューはないだろうとダメ元で聞いてみた。
「その条件だと……」
「そうだな……」
眉間に皺を寄せるヴィニーとスー。やっぱりないかと諦めかけたところでパックのほうを向くと、彼は作業台の上の材料を眺めていた。名探偵の思考時間。劇場版名探偵コナンに寄せてくのやめよ?
「…………正直、沢山ありすぎるといいますか……なにをおすすめすればよいか迷いますね。ちなみにカリン、好き嫌いは?」
いまの沈黙、そっちかよ。あのワガママすぎる条件でも絞れないとかあるんだ。
「嫌いな物は特になし! 食べ物は大抵なんでも好きだけど、特に好きなのは季節の物を使ったスイーツとか」
好き嫌いのなさがネックになる事があるとしたら、こういうときかもしれない。検索設定でフィルターかけすぎてもヒット数激減しちゃって欲しい結果が得られないけど、条件緩くしすぎるのもそれはそれで絞り込めなくて『フィルターの意味!』ってなるあの感じ。
一瞬でそこまで考えて答えた私GJすぎない? いまので絞れなかったらなにをどうしろと、って話になってくるけど。
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