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Have a spooktacular night!
Have a spooktacular night!【5】
しおりを挟む「……けど、その上で考えても、この中でいちばんガタイいいのはあんたでしょ。他の人が頼りないってわけじゃないんだけどさ。万が一、なんかあったときに特に頼りになりそうだと思って選ばせてもらった」
そんな事もあろうかと用意しておいた回答をすらすらと述べると、みんな納得してくれたようだった。出まかせ、誤魔化し、お手の物!
「うふふ。好みで選んだわけじゃないんだねぇ」
「ええ、そのようで。私もほんの少し期待していたんですが、残念です」
「そんな事ないよ。イケメン神父にエスコートされてみたかったし」
……なーんて、実は消去法でした☆ 四人には秘密だけど、みんなには特別に教えて進ぜよう。フォッフォッフォ。
ってなわけで、まず大前提から。都市部の夜って夜じゃないんだよ。特にこんな繁華街の中心は何時だろうと人通りがある。『眠らない街』なんて表現が存在するだけの事はあるよね。不夜城とかもそうか。
そんな中を悪魔コスの人と手繋いで歩くのはさすがに難易度高い。ざっくり言えば羞恥心との戦いなんだよね。『勝てる気がしない』、『勝とうとも思わない』ってやつ。そんなわけで、チルとスーには申し訳ないけど真っ先に除外させてもらった。
で、次にヴィニー。ぶっちゃけ推しだから、本当はめっちゃ迷った。でも、ヴィニーはポリスコスじゃん。コスとはいえポリスと手繋いでる私を想像したら『あ、これ完全にドナドナされる不審者だわー……』って思っちゃって。こんな感じでヴィニーも×。
そんで最後に残ったのが神父姿のパックだったと。ほい、証明完了!
「……貴女がそうおっしゃるなら、そういう事にしておきましょう」
イケメン神父にエスコートされてみたい願望はリアル中二の頃から持ってたから、消去法だろうと嬉しい気持ちは本物だ。『神父がエスコート』ってとこからしてちぐはぐでほぼほぼありえないシチュエーションなのは、さすが中学生の妄想って感じだよね。
「その言い方だと私が嘘吐いてるみたいじゃん」
「ふふ、そうですね。すみません」
品よく微笑んだパックはなんとなく察してるんだろうけど。
「うふふ、話は済んだ?」
「うん。ごめん、待たせちゃったね」
「今度こそ出発してもいいかな?」
チルもヴィニーもそわそわしてる。文句言わないで待っててくれてありがとう。
「ええ。カリンも構いませんね?」
「ん、問題ないよ」
「では、行くか」
こんなときでもなければできない体験だし、オーバーに言い換えればこんなときでもなければ叶わない夢なんだから、存分にエンジョイしてやろうじゃないか。
「いえーい、出発進行~!」
号令をかけたところで、ふと我に返る。
…………さっきからずっと、重要な事をスルーし続けてない?
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