“Boo”t!full Nightmare

片喰 一歌

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Unhappy Halloween?

Unhappy Halloween?【13】

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「うふふ。みんなそれだけ頑張ったってことだと思うよ」

 カリンも頑張ってたね、と頭を撫でてきたのはチル。

 撫でられて気付いたが、彼は私の頭をすっぽり覆ってしまいそうなほど大きな手をしている。身長もそんなに変わらないし可愛い顔してるから、いまのいままで同性の友達みたいな感覚だったのに。

 惚れてまうやろ!!

 『推しCPの部屋の壁になる』が本懐の私さえもトゥンクさせるなんて。チル……恐ろしい子!

 まぁ同性の友達でも惚れてたけど。節操ないやですまんな。

 某ねずみの姿のスーパースターだって手足の大きさが全体の可愛さに寄与してる事だし。(私調べ)

 この世で最も美しい五七五調、『ミッキーのムービーバーンで撮影中』。異論は認めるよ。ハハッ!

 せっかくぼかした意味も自分でなくしていくスタイル!

 彼は白手袋だけど、チルとスーは黒。こんな選ばせる気のない究極の二択ある? バニラかチョコか。天使か悪魔か。白には白の、黒には黒の良さがあるだろJK。

 ……ったく、こいつぁギルティだぜ。手錠を貸してくれ、そこのポリスマン。

「んー、そうかなぁ……?」
 
 でも、呑気にときめいてる場合じゃなかったわ。言いかけの言葉を呑み込んで、根気強く異議を唱え続けた。

「きっとそうですよ」

 そうしたのも訳がある。……というのも、実は量に対してあまりに早くゴミ拾いが終了してしまった事の他に、私にはもうひとつ気になっている事があったから。

「みんなはそう思ってるのかもしれないけど、私はそうは思えないや。だって、変だなって思ったのはその事だけじゃないし」

「うふふ。なにが変だと思ったの?」

 相変わらずのんびりおっとりふわふわなはずのチルの笑顔が、いまは少し怖い。

「最初見たときに比べて、かなり気がするんだよね。なのに、早く終わるって……やっぱおかしくない?」

 私はこの近辺で暮らし始めてから、ハロウィンイベント開催後のゴミ拾いボランティアには毎年欠かさず参加してきた。

 だけど、これまで参加したときの記憶では、開始から終了までの間に多少参加者の増減があるにしても『ちょっと顔ぶれが変わったかな?』程度のもので、途中でこんなにごっそり人が少なくなった事はなかった。
 
 ところが今日はどうだ。目に見えて『減った』と実感できるレベル。はっきり言って異常。

 不謹慎だけど、みんなどこかに消えちゃったみたい。

 道端を埋め尽くしていた足の踏み場をなくしていたゴミがすっかり消え、綺麗になったこの街のように。
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