“Boo”t!full Nightmare

片喰 一歌

文字の大きさ
上 下
12 / 119
Unhappy Halloween?

Unhappy Halloween?【12】

しおりを挟む

「少し気になったんだが、いいか?」

 と割って入ってきたのはスー。

「いいけど、どした? 時計の故障疑ってる? 私もちょっと怪しいと思ってる」 

「そういうわけじゃないが……パックが『今何時?』とだけ聞いていたら、どう返していた?」

 スーはこの中じゃいちばんしっかりしてるけど、真面目一辺倒ってわけでもないらしい。

 え、『パックもしっかりしてるだろ』って? 確かにそうだけど、あの人はなんかさぁ……。あ、なんでもないでーす……。

 とりま思った以上にくだらない質問アザッス。

 これこれ。友達とはこういう雑談してこそだよ。無言の時間が居心地良い関係もいいと思うけど、私は喋り倒したいタイプ。

 でも、一方的に話してたら満足ってわけでもなくて、友達の話聞くのもめっちゃ好き。周りの人の面白エピソードエピでも最近食べた美味しいエビものでもなんでもいい。そこからしか摂取できない栄養がある。

 私と交流してくれる少数の人とか少しでも好きでいてくれる人とか全員推しみたいなもんだから。健やかに生きてくれ、フォロワー。

 つまり、君も君も君も君も……もちろん画面の向こうの君もね。マジックランプシアター行きたくなってきた。

 誰か一緒に行こうぜ、冒険とイマジネーションの海。

「『そうねだいたいね~♪』だね」

 節までつける必要なくても勝手に口ずさんじゃうやーつ。『勝手にシンドバッド』だけに。シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジもいいよね。

 誰か一緒に行こうぜ、冒険とイマジネーションの海。大事な事なので二回言いました。

「やはりか。すまない、変な事を聞いた」

 でも、若いのによく知ってるな。パックとヴィニーは私と同年代でもおかしくないけど、チルとスーは絶対年下に見えるのに。知ってる子は知ってるって言ってもさ。

「いいって事よ」

 年齢知ったところでどうもしないし、わざわざ訊こうとは思わないけど。

 相手の年齢って詮索しなくてもわかっちゃうところあるし。通ってきたジャンルとか、なにに対して懐かしさを感じるかとかで。

 それが顕著なのがオタク。そも一般人(※注釈をつけるまでもないが、ここでの意味は『非オタ』。)はジャンルって言葉使わないですしおすし。

 それ自体は知ってても『他にどう表現するんだ?』ってずっと疑問。ジャンルはジャンル以外の何物でもなくない?

 言いながら閃いちゃったんだけど、もしかして複数ジャンルにドボンして同時に追いかける事態は稀=わざわざカテゴライズする必要ない……ってコト!? ありそげ。

「でもさ……思ったんだけど。ゴミの量考えたら、早く片付きすぎじゃない?」

 これだけ人数いれば、私の他にも一人くらい異変に気付いてる人いるでしょ。てか、そうであってクレメンス。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

うりふたつ

片喰 一歌
恋愛
「あの、お心遣いには感謝しますけど、お兄さんのことは半分も信じてませんからね」 「しっかりしてるねえ。ひとまずは俺、初対面の馴れ馴れしくて怪しいお兄さんってことで」 (※本文より抜粋) ある日、アキノの前に現れたナンパ男は、死んだ恋人・ハルトにうりふたつだった。 無口な彼とは対照的におしゃべりなその男は、自分をハルト本人だと言い張る。 アキノは半信半疑ながらもその男の誘いに乗り、『冥界デート』に付き合うことに。 聞くと、彼は生前の目的を果たすために戻ってきたらしい。 その口から語られたのは、亡き恋人しか知らないはずの『一緒のお墓に入りたい』というアキノの願いだった。 戻ってきたハルトは、どのようにしてアキノの願いを叶えるつもりなのか? 衝撃のラストは必見です! 2024/5/6~ 1話あたりの分量を変えて帰ってきました! あなたはこの結末をどう読みますか?

日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~

海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。 そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。 そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。

ヌース、兎、ズッキーニ

脱水カルボナーラ
SF
五度目の世界大戦に見舞われた地球。政治家や軍事政権が何世代にも渡り、戦争を続けることで得られる利権などの為に、本来の目的や意味を失った戦争を続けている。時代の潮流の中で、国家という共同体の概念はいよいよ形骸化し、市民達により世界中に名も無きスラム街や自治区が樹立された。  ある日、日本国の自治区「洲ガモ」の喫茶店「人参房」のマスター、ウサギマスクのバニ沢は、バイトの滝川(年齢・性別不詳)と共にいつも通り暇な営業時間を過ごしていたが、店に突如飛び込んできた、怪しげな少女を保護する。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様でも掲載をさせていただいております。

処理中です...