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Unhappy Halloween?
Unhappy Halloween?【11】
しおりを挟む「うふふ。真夜中だから、だよ」
黙って聞いていたチルが口を挟む。
「そうだ。夜更けだから、僕たちも活動できるんだ」
チルの発言を補強するようにスーが言い添えた。
『見えないほうが幸せな事は案外たくさんある』とかってチルもさっき言ってたけど、『見えない』を『知らない』に変えても同じ事だよね。
あーあー、聞こえなーい! 私はなにも聞かなかった、いいね?
たとえば『昼間だと活動に支障をきたす』的な意味に聞こえなくもないセリフとか。まさかの吸血鬼説がここにきて浮上。
人外匂わせ発言(※複数回)を記憶の隅に追いやったと思ったらこれですか。『何度でも蘇るさ!』ってか?
ええ、ええ。いいですとも。そのたびに退治してやんよ!
いや、いい加減対峙せえ。
深読みしすぎなのはわかってるんだけどさ。行間を読むついでに見えないものを見ようとしちゃう事ってあるじゃん? え、ない? マジか。
とにかく、双子のタッグってこういうときマジでコエーのな。よりにもよって見知らぬ場所でトゥイードルダムとトゥイードルディーに出会したアリスに同情を禁じ得ない。
「……ああ、そういえば。カリン、現在の時刻はわかりますか?」
スーの失言にいち早く気付いたらしいパックは、巧みに話題を逸らした。いいよいいよ、ここは乗ってあげようじゃん。
「えーと。只今の時刻、午後十一時三十五分……。うっそ、もうこんな時間?」
もうそんなになるんだ。さっき見たとき八時とかだったよね。いくらなんでも早ない?
「びっくりだよね~。三時間以上ぶっ続けでゴミ拾いしてたなんてさ」
ヴィニーはこんもりと積み上げられたゴミ袋の山々を見つめて笑う。達成感あるよね。わかるわかる。
そういえば、さっき終了のアナウンスが流れてたっけ。ここから先は業者の人の仕事だ。出る幕のないボランティアはここで解散となる。仕事とはいえ頭が下がるよ、ほんと。
みんなとお喋りしてたおかげであっという間に時間が過ぎた……という考え方ができないでもない。でも、私としてはその説、ちょっと無理があると思うワケ。
思い出してほしいんだ。開始直前に途方もない量のゴミを前に、「解放されるのは何時になるやら……」と憂鬱な気分になっていた事を。
タイトルと話数でいうと、『Unhappy Halloween?』の第2話だってさ。信じられなかったら遡ってくれてもいいよ。私自身、思ってたより前でびっくりしてるとこ。
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