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Unhappy Halloween?
Unhappy Halloween?【2】
しおりを挟む「あんたたち、人間何年目だっつーの!」
散らばっているゴミを集めながら悪態をつく。言葉遣いが悪いが、ささくれだった気分なんだから仕方がない。ていうか、心の中ではもっとひどい事言ってるし。声に出すつもりもなかったんだけど。うん、無理だった。
どうせこんな独り言、誰も聞いてないでしょ。都会は捕まらないタイプの不審者と聞くに堪えない雑音で溢れてんのよ。
まぁでも喜ぶべきなんだと思う。問題のハロウィンイベントは、一応は無事に終了したから。ぱちぱちぱち~。
全然めでたくなさそうだって? うっせ。どうせ私はダウナーですよっと。
いかにもカタギじゃない人たちの小競り合いはあったみたいだけど、そんなのこの街じゃ日常茶飯事だからさ。治安悪いんだよね、ほんと。普段からモンスターが徘徊してるようなもんだ。
悪性隔絶魔境……はここのモデルになってる都市ではないけど、あっちはあっちで怖い場所だよね。種類が違う治安の悪さ。
Chu! 今回もメタい事言ってごめん。
……気を取り直して。
現在の時刻は二十時。もっと早くお開きにしろよって思った?
奇遇だね、私もそう思った。心から。でもまぁ、一日目と二日目なんて終了時刻が二十二時とかだったし、それに比べたらまだいいかなって。
それに、なるべく早く片付けちゃえば悪臭もいくらかマシだから。夜遅くのゴミ拾いのためにナイタートラックを手配してくれた偉い人、本当にありがとう。感謝しかないし、感謝することしかできなくてもどかしい。
その人めがけて五千兆円降ってきたらいいのに。……と思ったけど、五千兆円入ったアタッシュケースは普通に凶器だったわ。いやぁ、スワンスワン。
通行の邪魔にならないよう、小さな山状に集められたゴミの塊を見つめて考える。ここから種類別に分けていくのは骨の折れる作業だ。解放されるのは何時になるやら……。
そんなどんよりした気持ちでいたとき。
「ああ。本当に嫌になるな」
左側から声がかけられた。
え、ごめん誰? ていうかエスパーか? エスパーなのか、君は。人の心、勝手に読まないでほしいなぁ。私の心の中なんて読んでもいい事ないって。ほんとほんと。
「わかる。自分の出したゴミくらい、ちゃんとすべきだよ」
今度は右からも。
ねえ……! 誰なの? 怖……くはないけどさ。
近くにいたボランティアの数人が話に乗ってきたようだ。独り言だったんだけど、まぁいいか。お喋りでもしてたほうが気が紛れていい。
それに、報酬なしでゴミ拾いをするような人たちだ。少なくとも嫌いなタイプではない。
「そしたら、そもそもこんなに散らかってないでしょ~!」
「まったくもってそのとおりですね。だから、私たちだってこうして化けて出てしまっているわけで……。ねぇ、そこのお嬢さん。ひどい話だと思いませんか?」
うわ、思ってたよりいっぱいいる。この集団のコミュ力すごいな。全部で四人? お願いだからこれ以上は増えてくれるなよ。
で、結局みんな誰なのさ。名前くらい名乗ってもらいたいんだけどなぁ、切実に!
……って、いまなんて言った?
聞き間違いじゃないなら、耳を疑いたくなるようなセリフが聞こえた気がするんだけど?
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