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Unhappy Halloween?
Unhappy Halloween?【1】
しおりを挟む「ハッピーハロウィーン!!」
「トリックオアトリート!」
今年もやってきた。ただでさえ騒々しいこの街がいつにも増してノイズで溢れかえる季節が。
夏祭りのシーズンが終わり、クリスマスまで待てない浮かれポンチどもが秋の催しとして目を付けたイベント……。それがきっとハロウィンなんじゃないかなってのが私の見立てなんだけど、実際のところはどうなんだろうね。
「げっ……今年は三日間も続くの? 勘弁してよね、ほんと」
人混みの中を歩きながらスマートフォンでハロウィンイベントの開催情報を検索している私も、他人の事をどうこう言える立場ではないのは百も承知だ。
でも、私はいい気になって馬鹿みたいに大声で騒いだりはしないし、公衆の面前で無駄に露出の多い薄っぺらなコスチュームを着る事もない。路上にゴミだって捨てない。全部全部、傍迷惑の極みじゃん。
まぁ本当言うと、一緒に遊ぶ友達なんて一人もいなくて? 寒がりだからこんな時期に薄着できなくて? 外出先でゴミが出るような行動を控えてるってだけだけど。私の場合はね。
言ってて虚しくなってきた……。
っていかんいかん! まだ始まったばっかなのに!
…………いまのは流石にメタすぎたかな。
とにかくだ。自分の出したゴミを所定の場所に捨てたり、種類に合ったゴミ箱がなければ持ち帰ったりするのなんて、人として当然の行いだと思うんだけど……。
「守れてない人が多すぎる!!」
人混みのドセンで叫ぶつもりはなかったのだが、積もりに積もった不満が爆発してしまった。そういう事ってたまにあるよね。オツカレサマドスエ。世はまさに末。おいおい、随分殺伐としたジョイマンだな。
みんなもストレスはこまめに発散していこう。精神衛生上よろしくないし、なにかのはずみで憎いアイツを手にかけたりしたら人生終わっちゃうからね。私との約束だよ!
閑話休題。私はいつからか定着したハロウィンとかいう季節の行事が大嫌いだった。まぁさっきのモノローグの時点ですでにバレてただろうけど。
きちんとマナーを守って楽しんでいる人が大勢いることも知っている。それでも、そういった人々を覆い隠すほどに“なってない”輩が多いのも事実だ。
この時期の店頭のディスプレイや限定スイーツには心躍る。それもかなり。
可愛い色合いに、ちょっぴりあやしげなモチーフたち。秋の味覚を用いた、甘い甘いお菓子の数々。……そういう要素だけを抜き出せば、私だってハロウィンが最高に大好きなのにさ。
そりゃ、私の楽しみ方だって邪道と一蹴してしまうには十分かもしれないけど、一人でささやかにエンジョイしているだけだ。誰にも否定される謂れはない。
だからこそ、なおさら残念なのだ。楽しみなはずの季節を、気が重いものにまで変えてしまう連中が許せない。
「まだ初日なんて嘘だぁ……。信じたくない…………」
私はいつからか定着したハロウィンとかいう季節の行事が大嫌いだった。
……今年、彼らに出会うまでは。
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