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10章 動き出す満腹計画
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荒れ果てた森・・・。
僅かに見える草木はそこかしこが折れたり、削られたりしていてまともな状態の森では決してない。見える大地もあちこちが蹄で踏み荒らされた跡がのこり、あの綺麗だった森の姿を取り戻すには一体どれだけの時間が掛かる事だろうか。
命を落としたブクスフィも兎人も人間もアーベ砦にはいなかった。大なり小なり傷つき一生跡が残るかもしれない人もいたけれど、それでも誰も死ぬことは無かった。
敵対したウイルズ・アインさん達には、結構な被害が出ていると聞いた。何かの病に侵されて暴走した仲間に追い立てられた際に傷つき倒れた者。そこで病に罹患して暴走を始めアーベ砦に襲い掛かり、討ち取られてしまった者もいた。
それでも今は、生き残った全員がジローの水魔法の洗礼を浴びて暴走する病から解放され、砦の周囲で傷ついた仲間を癒しながら生活するようになっていた。
砦の周囲を固める様に存在していたブクスフィさんたちは既に森の各所に散り、回復作業の準備に入っている。
それが今の状況で、じゃあ私はと言えば、次にすっごくすっごく忙しくなることが分かっていながら、なんていうか気持ちが弛緩してしまって、ウイルズ・アインさん達との戦いが終わった後から、ぼう~っとしていて、仕事と言えるような事は全くしていない。
なんかね、燃え尽き症候群?みたいな感じかも。この後でブクスフィさん達に約束した森の復旧作業が山と残っているのは判ってるんだけど、なんかね、やる気が出てこない・・・。
何でだろう?命の危険とかなくなったし、ヘイチェルさんのおかげで、食べ物に困らないから、いまいち危機感がないからかも?追い詰められないと、やる気が出ないタイプだったっけわたし?なんでもガンガン行くタイプじゃないのは自覚あったけど、決められたことはそつなくこなしてきたんだけどなぁ
「お~いハルカゼ、いい加減に約束を果たす準備でもしないと、約束破りとしてブクスフィから訴えられるぞ」
「え~、まだ数日じゃん、もう少しのんびりしてたってバチはあたらないよぉ~」
「バチと言う物がなんだかは判らぬが、ブクスフィが約束破りと判断したら面倒くさいのはハルカゼも判っておろう」
「うっ、確かに・・・」
ブクスフィはただでさえ頑固で面倒くさい精霊だ。約束破りなんて許されるはずもないし、罰に命を差し出せとか言われそう。ううん、それだけじゃなくて、アルナウト父とかアーベ叔父の命まで求めてきそうだ。約束を破るものには相応の罰は当然、とか言ってブスッと枝で串刺し直行だ。
「もう、他の者らは動き出しておる、ハルカゼが動かないと進まぬ作業もある、自ら招いた種であろうよ」
「そうなんだよねぇ~ちょっと後悔してるよ・・・でも、ま、働かざるもの食うべからずだよね、ここんとこヘイチェルさんのご飯を食べ続けてたから、働かないとだし」
まだ頭の中身はぼんやりとしていたけれど、せかすジローと共に狩小屋を出る。
「わっ寒い!」
いつの間にか空気は秋の物から冬の気配へと移り変わっていた。ここに来た時は夏の終わりから秋の初めって感じだったのに、一週間位で秋が終わりを迎えるとは・・・。この世界はやっぱり異世界なんだ。
アーベ砦を構成していた壁が取り払われて、荒れた森が見えるのも寒さを助長している気がする。
「皆は何してるの?」
「そうさな、ブレフトは他の兎人と共に荒れた森に散らばった廃材、削られた木や薙倒された草を集めている、ユルヘンは集まっていた動物たちと共に棲家の確認だ、アーベはヘイチェルと共に兎人の集落を確認し、ここから集落の間に道を作るとか話しておったな」
「へ~すごいね、皆たくましい!あれだけの事があっても直に仕事するなんて真似できないなぁ~」
「何を言っている、もうじきに冬が来る、それまでにしておかなければいけない事だらけだ、住む場所、暖炉の為の材料、冬ごもりの為の食べ物も確保せねば、飢えることになる、特に今回は狩も出来ぬし、植物も荒らされ放題だ、今すぐに動かねば飢え死にするのが目に見えていて動かぬ者なぞ居るはずもない」
そうなんだ・・・。飢えるんだ・・・。
それは絶対に回避しなければならない。またあの飢餓感に襲われることは絶対に考えたくない。
「じゃあ、私はまず何をすればいいかな?」
「ブクスフィとの約束もあるから森の復旧は急務だが、それ以外にも周辺の手伝いは必須だろうな」
それは大変だ。妖精の鍬と彫刻のナイフをフル活用しなきゃ。
効率よくやっていかなきゃ、終わる気がしない。
「まず、森のあちこちに行って荒らされた場所を癒す作業からだね、で、森のあっちこっちにはどうやって行けばいいの?」
何度も言うが、ハルは非力で体力がない。森の中を機敏に行ったりきたりするほどの体力が有る訳ないのだ。しかも行った先で鍬を振らなきゃいけないし。
「我と違い、ハルカゼは飛ぶことが出来ないからな、すばやい移動方法も考えねばならぬか」「え~ジローの魔法とかでパパっと出来たりとかは?」
「無理だな」
一刀両断されてしまった。
う~んすばやい移動方法、すばやい移動方法。元の世界だと一番は飛行機、二番は電車、三番は車って事になるんだろうけど、異世界にそんなものがあるわけないし、もし有ったとしても動かすエネルギーがないし私に運転が出来るわけがない。バイクの免許だってまだ取れない年齢だったんだから。
そうなると、私が運転できそうな物の中で一番早いのは・・・。
「そうなると自転車って事になるのかな?でもゴムとかないだろうからタイヤ、作れないかな~」
「何か想像できるのならば、彫刻のナイフで作ってみるがよい、あれは妖精女王の魔力が作用しておる、想像できるのならば作れるであろう」
すっげ~妖精女王の魔力。たしか世界に魔法を伝えた人の一人とかユルヘンが言ってたっけ。それって神様に近いって事なんじゃないの?気安く話しかけちゃ駄目だったかも。
「やってみる、とっ、ヨイショっ」
落ちていた枝の切れ端に、彫刻のナイフで自転車を思い浮かべながら、一筋の傷をつける。するといつもの様に枝がウニュウニュと動いて、形を変化させていく。
変化が終わった後には木製の自転車が現れた。立派に自転車にしか見えないけど、サドルもタイヤも木材でそれらしく作られているから、実際に使ったらお尻が痛くなりそう・・・。「ふむ、これがハルカゼが言う、すばやく動ける乗り物か、縦に二本の丸い足がついて・・・、これが回転して地面を走るのか・・・」
興味津々のジロー。最近気づいたけど、ジローって新しい物好きなのかも?これで猫じゃなかったらどっかの発明小僧みたい。
「じゃあ、ちょっと乗ってみるからね」
サドルにまたがり、車輪を動かすべくペダルに力を入れるが、動かない。勢いが足りなかったかなと思って、今度は思いっきり踏むこんだけど、動いたのは数センチがいいところだ。
「重っ、ギアとか地面が土だからとか、いろいろ理由はあるんだろうけど、これじゃあ無理かな・・・」
でこぼこの森の中をこの自転車ではペダルが重すぎて使えない。電動アシスト?とか思ったけど、充電方法がない物を作る事は出来ないし、そもそも仕組みもよく判っていないものを作ることは彫刻のナイフでも無理だ。
「形と仕組みは悪くないのだがな、ハルカゼが非力だから動かないだけなのではないか?」
「それは認めます・・・」
なんか方法はないかな?
「それならば、ハルカゼはその自転車?なるものにまたがり、我が魔法で押すのはどうだ、魔力が尽きそうになったら足の速い動物に引っ張ってもらうのもありだろう」
ジローのその言葉で、もう一度自転車にまたがり、ペダルと踏み込んでみる。やっぱり動かないが、今度はジローの魔法が自転車にかかっているので、土の上でもスイスイと動き出した。
「おお~これなら行けるよっ、でもそんな魔法があるならジローが私を連れて飛ぶとか出来るんじゃないの?」
「無茶を申すな!空を飛ぶのは強大な魔力が必要なのだぞ、我は種族の加護があるから僅かな魔力で飛ぶことが出来るが、短い距離ならできなくもないが、ハルカゼを長く飛ばすとなると、それだけで半分以上の魔力を消費してしまい、移動するなど出来ることではないわ」
「ふ~ん、なんか残念、でもジロー動力の自転車でもだいぶ快適だから良しとするか!じゃあ早速行ってみよ~」
移動の体力問題はクリアしたけど、そこから私は遊園地の絶叫と呼ばれる乗り物は、あくまで安全基準をクリアしている絶叫でしかないことを知った。
ベルトも肩当も、もちろんエアバックも無いただの木製の自転車で、でこぼこな道を右に左に木々を避けながら走るのは絶叫を通り越して気絶の領域だった。人間怖すぎると声も出ないというのは本当で、最初の数秒間絶叫した後、私は吹っ飛ばされないようにするので精一杯で、風圧で涙はぽろぽろ出てくるわ、鼻水は風に流れて口に入りそうになるわで散々だった。到着すれば到着したで、鍬を肩に担いで農作業~♪あ~これが楽しい楽しい異世界ライフなんだろうか?
僅かに見える草木はそこかしこが折れたり、削られたりしていてまともな状態の森では決してない。見える大地もあちこちが蹄で踏み荒らされた跡がのこり、あの綺麗だった森の姿を取り戻すには一体どれだけの時間が掛かる事だろうか。
命を落としたブクスフィも兎人も人間もアーベ砦にはいなかった。大なり小なり傷つき一生跡が残るかもしれない人もいたけれど、それでも誰も死ぬことは無かった。
敵対したウイルズ・アインさん達には、結構な被害が出ていると聞いた。何かの病に侵されて暴走した仲間に追い立てられた際に傷つき倒れた者。そこで病に罹患して暴走を始めアーベ砦に襲い掛かり、討ち取られてしまった者もいた。
それでも今は、生き残った全員がジローの水魔法の洗礼を浴びて暴走する病から解放され、砦の周囲で傷ついた仲間を癒しながら生活するようになっていた。
砦の周囲を固める様に存在していたブクスフィさんたちは既に森の各所に散り、回復作業の準備に入っている。
それが今の状況で、じゃあ私はと言えば、次にすっごくすっごく忙しくなることが分かっていながら、なんていうか気持ちが弛緩してしまって、ウイルズ・アインさん達との戦いが終わった後から、ぼう~っとしていて、仕事と言えるような事は全くしていない。
なんかね、燃え尽き症候群?みたいな感じかも。この後でブクスフィさん達に約束した森の復旧作業が山と残っているのは判ってるんだけど、なんかね、やる気が出てこない・・・。
何でだろう?命の危険とかなくなったし、ヘイチェルさんのおかげで、食べ物に困らないから、いまいち危機感がないからかも?追い詰められないと、やる気が出ないタイプだったっけわたし?なんでもガンガン行くタイプじゃないのは自覚あったけど、決められたことはそつなくこなしてきたんだけどなぁ
「お~いハルカゼ、いい加減に約束を果たす準備でもしないと、約束破りとしてブクスフィから訴えられるぞ」
「え~、まだ数日じゃん、もう少しのんびりしてたってバチはあたらないよぉ~」
「バチと言う物がなんだかは判らぬが、ブクスフィが約束破りと判断したら面倒くさいのはハルカゼも判っておろう」
「うっ、確かに・・・」
ブクスフィはただでさえ頑固で面倒くさい精霊だ。約束破りなんて許されるはずもないし、罰に命を差し出せとか言われそう。ううん、それだけじゃなくて、アルナウト父とかアーベ叔父の命まで求めてきそうだ。約束を破るものには相応の罰は当然、とか言ってブスッと枝で串刺し直行だ。
「もう、他の者らは動き出しておる、ハルカゼが動かないと進まぬ作業もある、自ら招いた種であろうよ」
「そうなんだよねぇ~ちょっと後悔してるよ・・・でも、ま、働かざるもの食うべからずだよね、ここんとこヘイチェルさんのご飯を食べ続けてたから、働かないとだし」
まだ頭の中身はぼんやりとしていたけれど、せかすジローと共に狩小屋を出る。
「わっ寒い!」
いつの間にか空気は秋の物から冬の気配へと移り変わっていた。ここに来た時は夏の終わりから秋の初めって感じだったのに、一週間位で秋が終わりを迎えるとは・・・。この世界はやっぱり異世界なんだ。
アーベ砦を構成していた壁が取り払われて、荒れた森が見えるのも寒さを助長している気がする。
「皆は何してるの?」
「そうさな、ブレフトは他の兎人と共に荒れた森に散らばった廃材、削られた木や薙倒された草を集めている、ユルヘンは集まっていた動物たちと共に棲家の確認だ、アーベはヘイチェルと共に兎人の集落を確認し、ここから集落の間に道を作るとか話しておったな」
「へ~すごいね、皆たくましい!あれだけの事があっても直に仕事するなんて真似できないなぁ~」
「何を言っている、もうじきに冬が来る、それまでにしておかなければいけない事だらけだ、住む場所、暖炉の為の材料、冬ごもりの為の食べ物も確保せねば、飢えることになる、特に今回は狩も出来ぬし、植物も荒らされ放題だ、今すぐに動かねば飢え死にするのが目に見えていて動かぬ者なぞ居るはずもない」
そうなんだ・・・。飢えるんだ・・・。
それは絶対に回避しなければならない。またあの飢餓感に襲われることは絶対に考えたくない。
「じゃあ、私はまず何をすればいいかな?」
「ブクスフィとの約束もあるから森の復旧は急務だが、それ以外にも周辺の手伝いは必須だろうな」
それは大変だ。妖精の鍬と彫刻のナイフをフル活用しなきゃ。
効率よくやっていかなきゃ、終わる気がしない。
「まず、森のあちこちに行って荒らされた場所を癒す作業からだね、で、森のあっちこっちにはどうやって行けばいいの?」
何度も言うが、ハルは非力で体力がない。森の中を機敏に行ったりきたりするほどの体力が有る訳ないのだ。しかも行った先で鍬を振らなきゃいけないし。
「我と違い、ハルカゼは飛ぶことが出来ないからな、すばやい移動方法も考えねばならぬか」「え~ジローの魔法とかでパパっと出来たりとかは?」
「無理だな」
一刀両断されてしまった。
う~んすばやい移動方法、すばやい移動方法。元の世界だと一番は飛行機、二番は電車、三番は車って事になるんだろうけど、異世界にそんなものがあるわけないし、もし有ったとしても動かすエネルギーがないし私に運転が出来るわけがない。バイクの免許だってまだ取れない年齢だったんだから。
そうなると、私が運転できそうな物の中で一番早いのは・・・。
「そうなると自転車って事になるのかな?でもゴムとかないだろうからタイヤ、作れないかな~」
「何か想像できるのならば、彫刻のナイフで作ってみるがよい、あれは妖精女王の魔力が作用しておる、想像できるのならば作れるであろう」
すっげ~妖精女王の魔力。たしか世界に魔法を伝えた人の一人とかユルヘンが言ってたっけ。それって神様に近いって事なんじゃないの?気安く話しかけちゃ駄目だったかも。
「やってみる、とっ、ヨイショっ」
落ちていた枝の切れ端に、彫刻のナイフで自転車を思い浮かべながら、一筋の傷をつける。するといつもの様に枝がウニュウニュと動いて、形を変化させていく。
変化が終わった後には木製の自転車が現れた。立派に自転車にしか見えないけど、サドルもタイヤも木材でそれらしく作られているから、実際に使ったらお尻が痛くなりそう・・・。「ふむ、これがハルカゼが言う、すばやく動ける乗り物か、縦に二本の丸い足がついて・・・、これが回転して地面を走るのか・・・」
興味津々のジロー。最近気づいたけど、ジローって新しい物好きなのかも?これで猫じゃなかったらどっかの発明小僧みたい。
「じゃあ、ちょっと乗ってみるからね」
サドルにまたがり、車輪を動かすべくペダルに力を入れるが、動かない。勢いが足りなかったかなと思って、今度は思いっきり踏むこんだけど、動いたのは数センチがいいところだ。
「重っ、ギアとか地面が土だからとか、いろいろ理由はあるんだろうけど、これじゃあ無理かな・・・」
でこぼこの森の中をこの自転車ではペダルが重すぎて使えない。電動アシスト?とか思ったけど、充電方法がない物を作る事は出来ないし、そもそも仕組みもよく判っていないものを作ることは彫刻のナイフでも無理だ。
「形と仕組みは悪くないのだがな、ハルカゼが非力だから動かないだけなのではないか?」
「それは認めます・・・」
なんか方法はないかな?
「それならば、ハルカゼはその自転車?なるものにまたがり、我が魔法で押すのはどうだ、魔力が尽きそうになったら足の速い動物に引っ張ってもらうのもありだろう」
ジローのその言葉で、もう一度自転車にまたがり、ペダルと踏み込んでみる。やっぱり動かないが、今度はジローの魔法が自転車にかかっているので、土の上でもスイスイと動き出した。
「おお~これなら行けるよっ、でもそんな魔法があるならジローが私を連れて飛ぶとか出来るんじゃないの?」
「無茶を申すな!空を飛ぶのは強大な魔力が必要なのだぞ、我は種族の加護があるから僅かな魔力で飛ぶことが出来るが、短い距離ならできなくもないが、ハルカゼを長く飛ばすとなると、それだけで半分以上の魔力を消費してしまい、移動するなど出来ることではないわ」
「ふ~ん、なんか残念、でもジロー動力の自転車でもだいぶ快適だから良しとするか!じゃあ早速行ってみよ~」
移動の体力問題はクリアしたけど、そこから私は遊園地の絶叫と呼ばれる乗り物は、あくまで安全基準をクリアしている絶叫でしかないことを知った。
ベルトも肩当も、もちろんエアバックも無いただの木製の自転車で、でこぼこな道を右に左に木々を避けながら走るのは絶叫を通り越して気絶の領域だった。人間怖すぎると声も出ないというのは本当で、最初の数秒間絶叫した後、私は吹っ飛ばされないようにするので精一杯で、風圧で涙はぽろぽろ出てくるわ、鼻水は風に流れて口に入りそうになるわで散々だった。到着すれば到着したで、鍬を肩に担いで農作業~♪あ~これが楽しい楽しい異世界ライフなんだろうか?
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