闇落ち異世界転生記～小悪魔からはじめる成り上がり、非力でも出来る出世法～

第５章 救出作戦で魔王プレイとかちょっとだけ快感♪ 代償は勿論あったけど・・・

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俺が丁度砦に戻った日から数えて４日前。このフォカロル群を束ねる立場の男に、ある一報が入ってきた。
「またぞろ、タルヌエ＝ガロの領主殿からの手紙ですか・・。当初は近隣のよしみで同盟いたしましたが、こう毎度毎度の手紙による通知となりますといい加減にしろと怒鳴りたくなるのですがな」
「もはやあの時とは状況が違うのだウヴァル、あの頃は同格の群を束ねる群長だったが、いまや相手は３つの群を従え、しかも中央の魔王を擁立する実力者になっている、古くからの同盟者だからと言って、簡単に断る事も出来ぬわ、今は隠忍自重が必要だ」
　ウヴァルにそう答える悪魔は、がっしりとした体格の割に頭の上にある角は小さいアンバランスさを持つ上級悪魔で、その上級悪魔の中でも男爵級悪魔と呼ばれている悪魔だった。悪魔の階級は上級から上となり、中央の魔王に認められると貴族の称号を付与される。その貴族の階級がそのままその悪魔の強さとイコールではないが、総合力として男爵は伯爵には勝てないし、伯爵は侯爵には勝てない。それは支配している悪魔の数や質、持っている武具等が階級が違うと、目に見えて差があるからだ。
　だが、タルヌエ＝ガロの領主だった悪魔は同じ男爵級悪魔であったのだが、ここ数十年で一気に近隣の者たちを斬り従え、自分より階級が上の悪魔を屠り、いまや侯爵級と言われている。対してフォカルロ群を支配している領主は領地も人材も増えないまま、男爵のままで、しかも昨今は身内の中から裏切り者も出る始末だった。
「して、如何いたしますか男爵殿？」
「従うしか無かろうよ、こっちとしてはもう少し成り行きを見て勝った方を理由をつけて討伐すれば直轄とする土地も増えるのだが、向こうが早期解決を指示してくるなら、もとより討伐準備は整ておるし痛くもない腹を探られるのも鼻持ちならん」
「では？」
「ああ、アルターとフルカスを先陣として出陣させよ、たかが小さな小競り合いごとき一日で鎮圧せよとな」
　しかし、と命令を出した悪魔はため息をつく。
　内輪の争いを収めて、その先に何があるのか？幼少の頃は同じ場所に閉じ込められ、自由の無い中、一緒に遊んだこともある隣の領主。お互いが成人し収めるべき土地に帰った所で同盟したのはしごく当然の事だった。
　だが、そこからは全然違う道を進んできてしまった。
　かたや今を時めく魔王の後ろ盾であり、権力の頂点に最も近い悪魔。かたや田舎の小領主のまま鳴かず飛ばず、命だけは長らえている臆病者。
「このまま言う事を聞き続けても圧殺されるだけとは判っているんだがな・・・」