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第85話 慎重にですね
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「そんな事、貴女に出来るの? 今まで色々な方に見て貰ったわ。だけれど結局は皆自分で乗り越えるしかないという結論に至ったわ」
エリスは何度も周りに相談して解決策を探していたのだろう。
だからこそ自分で努力もしてきたし改善されたとも思っていた。
今回、治っていない事が証明されてしまい、諦めにも似た感情が言葉の端々に感じ取れる。
年齢に関係なく無力な自分を認めるのは辛い事でありレイナにも覚えがある。
「必ずとは言えませんが力になりたいとは思っています」
「気持ちは嬉しいけれど、どうやって治すというのかしら?」
「それは私の能力を使います」
「貴女の……、【拒絶と吸収】を?」
「はい。エリス様のトラウマ……わだかまりを解消したいと思います」
「……」
魔法を分解して吸収する能力は凄いが、それと自分の魔法制御を治す事とが結びつかずエリスは悩む。
だがレイナには出来るであろう確信がある。
この能力を得てから出来ると思ったことは実現してきた。
その自信からレイナは今回のエリスの治療を提案したのだ。
私なら、この能力なら可能だ、そう信じて疑わない事が成功の道だとレイナは信じる事にしている。
エリスとしても最早打つ手がない状態でありレイナがここまで言うのであれば信じたい。
藁にもすがりたい気持ちなのだからレイナの治療を受けるのを決断するのに時間はかからなかった。
「分かりましたわ。貴女にお任せします」
覚悟とも決意ともとれる言葉でエリスはレイナの提案に賛同する。
「ありがとうございます。全力を尽くします!」
レイナもそんなエリスの気持ちに応えるべく返答する。
「では、始めます。エリス様、両手を出してください」
レイナはエリスが出した両手を優しく掴み自分の魔力を通す。
「温かいわ……」
エリスの体全体に魔力を纏わせる。
今回やるのはトラウマの解消でありレイナとしても初めての試みだ。
【拒絶】でトラウマをサッと解消といけば簡単だろうがそうもいかない。
レイナとしてはトラウマも今のエリスを作った部分であると考えている。
全てを取り去ってしまったら、今までのエリスの努力が無駄になってしまうかもしれない。
エリスを形成している部分が無くなっていしまうのではないのか。
実際には分からないが、レイナはそう考えた。
だから今回行うのはトラウマを薄め表層に出て来るのを緩和する。
頻繁に思い出す事が無く、思い出しても普通の状態でいられる様な、そんな感じが望ましいとレイナは思う。
そんなイメージでレイナは【拒絶】を使う。
「行きます。【拒絶】!」
包んでいたレイナの魔力と光がエリスから消えた。
エリスは何度も周りに相談して解決策を探していたのだろう。
だからこそ自分で努力もしてきたし改善されたとも思っていた。
今回、治っていない事が証明されてしまい、諦めにも似た感情が言葉の端々に感じ取れる。
年齢に関係なく無力な自分を認めるのは辛い事でありレイナにも覚えがある。
「必ずとは言えませんが力になりたいとは思っています」
「気持ちは嬉しいけれど、どうやって治すというのかしら?」
「それは私の能力を使います」
「貴女の……、【拒絶と吸収】を?」
「はい。エリス様のトラウマ……わだかまりを解消したいと思います」
「……」
魔法を分解して吸収する能力は凄いが、それと自分の魔法制御を治す事とが結びつかずエリスは悩む。
だがレイナには出来るであろう確信がある。
この能力を得てから出来ると思ったことは実現してきた。
その自信からレイナは今回のエリスの治療を提案したのだ。
私なら、この能力なら可能だ、そう信じて疑わない事が成功の道だとレイナは信じる事にしている。
エリスとしても最早打つ手がない状態でありレイナがここまで言うのであれば信じたい。
藁にもすがりたい気持ちなのだからレイナの治療を受けるのを決断するのに時間はかからなかった。
「分かりましたわ。貴女にお任せします」
覚悟とも決意ともとれる言葉でエリスはレイナの提案に賛同する。
「ありがとうございます。全力を尽くします!」
レイナもそんなエリスの気持ちに応えるべく返答する。
「では、始めます。エリス様、両手を出してください」
レイナはエリスが出した両手を優しく掴み自分の魔力を通す。
「温かいわ……」
エリスの体全体に魔力を纏わせる。
今回やるのはトラウマの解消でありレイナとしても初めての試みだ。
【拒絶】でトラウマをサッと解消といけば簡単だろうがそうもいかない。
レイナとしてはトラウマも今のエリスを作った部分であると考えている。
全てを取り去ってしまったら、今までのエリスの努力が無駄になってしまうかもしれない。
エリスを形成している部分が無くなっていしまうのではないのか。
実際には分からないが、レイナはそう考えた。
だから今回行うのはトラウマを薄め表層に出て来るのを緩和する。
頻繁に思い出す事が無く、思い出しても普通の状態でいられる様な、そんな感じが望ましいとレイナは思う。
そんなイメージでレイナは【拒絶】を使う。
「行きます。【拒絶】!」
包んでいたレイナの魔力と光がエリスから消えた。
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