55 / 92
第54話 実力発揮ですね
しおりを挟む
レイナが退出した後、更に話し合いが行われた様だ。
国王の決定に表立って文句を言う者はいないが、面白くないと思う人間がいるのも事実。
国王は周囲の反発を抑えるためにレイナには薬草を作らせる事にした。
以前にレイナが作った薬草の検査の結果、薬草と精製した回復薬も問題なしと証明され実用可能となっている。
祭り上げられて色々とやらされるより、薬草を作ればいいだけなら簡単だ。
しかも、もう少し品質にもこだわりたいと思っていたので丁度いいとレイナは喜びを頬に浮かべる。
しかしあまりにも自分に都合のいい展開にレイナは不思議に思う。
「国王様とイーサンは共闘してたのかしら?」
そう考えれば合点がいく事は多い。
結論だけ見るとレイナは国の為に薬草を作る以外、今まで通りの生活に変わりはない。
そしてイーサンがレイナを管理する、そういう風に話を持っていったのだろう。
今まで通りに自由に生活出来る様に初めから国王とイーサンの間で話がついていたのかもしれない。
レイナはイーサンに心の中で感謝する。
「まあそういう事だろうな」
「やっぱりそうなんですかね」
国王との謁見後レイナはニコラの部屋を訪れた。
レイナにとってニコラは気軽に会いに行ける王子様状態となっている。
ニコラもレイナの訪問を拒む様子はないのでレイナも甘えてしまうかもしれない。
勿論、メイドの仕事もしているわと、レイナは誰に言う訳でもないが言い訳のように心の中で思うのだった。
「父上と兄上で決めていたんだろうな」
「それだったら私にも事前に教えてくれてたらと思うのですけれど」
自分がイーサンの思惑通りに動かなかったらどうするつもりだったのかと、レイナは不思議に思う。
「まあ二人もお前の本心が知りたかったのかもな。兄上寄りの回答をした事で国に逆らう様な事をしない人間だと証明出来た訳だしな。結果オーライだろ」
「そういうものなんですかね……。でもニコラ様は何故そんなに詳しいんですか?」
謁見の場にいたかの様に詳細まで知っているニコラにレイナは疑いの目を向ける。
「この王宮で俺が知りたいと思って得られない情報は無いからな」
「えー、じゃあ魔法なんですか!」
「ああ、そういう事だ」
ニコラはあっさりと言っているが外部から魔法であの部屋の話の内容を聞き取るのは簡単ではない。
謁見の間には情報漏洩を防ぐ為に何重もの処理が施されている。
勿論、対魔法処理もしかり。
それをあっさりと突破出来るのはニコラが魔法の天才と言われる所以だろう。
「凄いんですねニコラ様」
どれだけ凄い事か分かっていないレイナは離れた場所の話が分かって便利だなぐらいにしか感じておらず、ニコラの魔法能力の高さを把握出来ていない。
そんなレイナの認識を感じとったニコラは、まだまだ訓練が必要だなと思い苦笑いを浮かべる。
「お前も訓練すれば似た様な事は出来る様になるさ」
「そうなんですか!」
ニコラレベルまでいくのは難しいとしてもセキュリティのない場所の会話を聞き取るぐらいならレイナでも出来るだろうとニコラは見ている。
「これからの訓練次第だな」
「で、ですよね」
今までのニコラの訓練を思いだし大変なんだろうなとレイナは思うのだった。
国王の決定に表立って文句を言う者はいないが、面白くないと思う人間がいるのも事実。
国王は周囲の反発を抑えるためにレイナには薬草を作らせる事にした。
以前にレイナが作った薬草の検査の結果、薬草と精製した回復薬も問題なしと証明され実用可能となっている。
祭り上げられて色々とやらされるより、薬草を作ればいいだけなら簡単だ。
しかも、もう少し品質にもこだわりたいと思っていたので丁度いいとレイナは喜びを頬に浮かべる。
しかしあまりにも自分に都合のいい展開にレイナは不思議に思う。
「国王様とイーサンは共闘してたのかしら?」
そう考えれば合点がいく事は多い。
結論だけ見るとレイナは国の為に薬草を作る以外、今まで通りの生活に変わりはない。
そしてイーサンがレイナを管理する、そういう風に話を持っていったのだろう。
今まで通りに自由に生活出来る様に初めから国王とイーサンの間で話がついていたのかもしれない。
レイナはイーサンに心の中で感謝する。
「まあそういう事だろうな」
「やっぱりそうなんですかね」
国王との謁見後レイナはニコラの部屋を訪れた。
レイナにとってニコラは気軽に会いに行ける王子様状態となっている。
ニコラもレイナの訪問を拒む様子はないのでレイナも甘えてしまうかもしれない。
勿論、メイドの仕事もしているわと、レイナは誰に言う訳でもないが言い訳のように心の中で思うのだった。
「父上と兄上で決めていたんだろうな」
「それだったら私にも事前に教えてくれてたらと思うのですけれど」
自分がイーサンの思惑通りに動かなかったらどうするつもりだったのかと、レイナは不思議に思う。
「まあ二人もお前の本心が知りたかったのかもな。兄上寄りの回答をした事で国に逆らう様な事をしない人間だと証明出来た訳だしな。結果オーライだろ」
「そういうものなんですかね……。でもニコラ様は何故そんなに詳しいんですか?」
謁見の場にいたかの様に詳細まで知っているニコラにレイナは疑いの目を向ける。
「この王宮で俺が知りたいと思って得られない情報は無いからな」
「えー、じゃあ魔法なんですか!」
「ああ、そういう事だ」
ニコラはあっさりと言っているが外部から魔法であの部屋の話の内容を聞き取るのは簡単ではない。
謁見の間には情報漏洩を防ぐ為に何重もの処理が施されている。
勿論、対魔法処理もしかり。
それをあっさりと突破出来るのはニコラが魔法の天才と言われる所以だろう。
「凄いんですねニコラ様」
どれだけ凄い事か分かっていないレイナは離れた場所の話が分かって便利だなぐらいにしか感じておらず、ニコラの魔法能力の高さを把握出来ていない。
そんなレイナの認識を感じとったニコラは、まだまだ訓練が必要だなと思い苦笑いを浮かべる。
「お前も訓練すれば似た様な事は出来る様になるさ」
「そうなんですか!」
ニコラレベルまでいくのは難しいとしてもセキュリティのない場所の会話を聞き取るぐらいならレイナでも出来るだろうとニコラは見ている。
「これからの訓練次第だな」
「で、ですよね」
今までのニコラの訓練を思いだし大変なんだろうなとレイナは思うのだった。
42
お気に入りに追加
3,321
あなたにおすすめの小説

精霊に好かれた私は世界最強らしいのだが
天色茜
ファンタジー
普通の女子高校生、朝野明莉沙(あさのありさ)は、ある日突然異世界召喚され、勇者として戦ってくれといわれる。
だが、同じく異世界召喚された他の二人との差別的な扱いに怒りを覚える。その上冤罪にされ、魔物に襲われた際にも誰も手を差し伸べてくれず、崖から転落してしまう。
その後、自分の異常な体質に気づき...!?

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。

姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】
小平ニコ
ファンタジー
幼少期から魔法の才能に溢れ、百年に一度の天才と呼ばれたリーリエル。だが、その才能を妬んだ姉により、無実の罪を着せられ、隣国へと追放されてしまう。
しかしリーリエルはくじけなかった。持ち前の根性と、常識を遥かに超えた魔法能力で、まともな建物すら存在しなかった隣国を、たちまちのうちに強国へと成長させる。
そして、リーリエルは戻って来た。
政治の実権を握り、やりたい放題の振る舞いで国を乱す姉を打ち倒すために……

聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!

金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる