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第42話 擦り合わせですね
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「私の能力は【拒絶と吸収】と言います」
レイナはイーサンに能力の事を話始める。
この能力を他人に話すのは初めての事だ。
「この能力で毒矢の毒を吸収したと思われます」
「やはりそうか。我々の見解でもそうであろうと予想していた。思われたと言うことは能力を意識して使った訳ではなかったんだな?」
「はい。あの時は無意識でした。偶々毒を吸収出来たみたいです」
レイナは【インベントリ】から毒塊(吸収)を取り出してイーサンに見せる。
「これは?」
「これはその時に吸収した毒です。気がついたら【インベントリ】に勝手に入っていました」
「毒の源って事か」
「はい。毒矢が肩に刺さった時は私は無意識に能力を使ったと思います。その時に吸収したのがこの毒の塊です」
「つまり毒を拒絶してレイナの体から抜き取り吸収したって事か?」
「はい。私はそう考えています」
拒絶だけなら毒を中和するとか体から取り出すだけでいい。
しかし手元に毒の塊が残ったと言う事は吸収の能力も同時に発動したとレイナは考えた。
これは偶然だったのだが、毒から助かるためには拒絶だけでも十分だったと考えられる。
「それは凄い能力だな……」
強力な毒から身を守り取り込んてしまう様な、能力の同時発動はありえないと普通は考えられている。
それをレイナはあっさりと実現させているのだから、イーサンが驚くのも無理はないのかもしれない。
「では薬草に与えていた物もその能力で作った物なのか?」
イーサンは栄養塊の事も知っていた。
ただ能力の全容を知らないイーサンはそれが何かまで分からなかった様だ。
畑に何かを埋め込んだ事は影により知っていただけだ。
「はい。吸収の能力を使って森から栄養素を吸収して作物に与えました」
「作物が巨大化したという報告も受けているが、それはどう言う事なんだ?」
「それは栄養の塊をそのまま与えてしまったからだと思います」
「濃すぎたと言う事か」
「はい。だから最近は調整して薄めて使っています」
「吸収したものは効果が上がると言うのか?」
「不思議な事ですがそうみたいです」
吸収やコピーしたものが元より効果が上がるなど普通は考えにくい。
むしろ下がると考えるのが普通であり、二人が困惑するのも無理がない事だ。
「聞けば聞くほど凄い能力だな。しかしそんな能力ならシールズを治すことが可能かもしれいな」
未知なる能力である【拒絶と吸収】それならばと期待してしまうイーサン。
しかしレイナとしてもこの能力について全てを把握している訳ではない。
「やれるだけやってみます」
現状ではそれだけしか言えない自分がレイナは歯がゆい。
そんなレイナの不安をイーサンは察したのか軽い口調でレイナに話しかける。
「レイナ、話し方が外行きになっているな」
「うん、そうね。イーサンも真面目な雰囲気だったし、しっかりと答えなきゃと思って」
「そうだな。俺も緊張していたみたいだ」
お互いに真剣な話をするのは初めてなのかもしれない。
口調が固くなってしまったのも仕方がない事だろう。
「レイナ、シールズを頼む」
「うん、やれるだけやってみる」
何時もの二人に戻っていた。
レイナはイーサンに能力の事を話始める。
この能力を他人に話すのは初めての事だ。
「この能力で毒矢の毒を吸収したと思われます」
「やはりそうか。我々の見解でもそうであろうと予想していた。思われたと言うことは能力を意識して使った訳ではなかったんだな?」
「はい。あの時は無意識でした。偶々毒を吸収出来たみたいです」
レイナは【インベントリ】から毒塊(吸収)を取り出してイーサンに見せる。
「これは?」
「これはその時に吸収した毒です。気がついたら【インベントリ】に勝手に入っていました」
「毒の源って事か」
「はい。毒矢が肩に刺さった時は私は無意識に能力を使ったと思います。その時に吸収したのがこの毒の塊です」
「つまり毒を拒絶してレイナの体から抜き取り吸収したって事か?」
「はい。私はそう考えています」
拒絶だけなら毒を中和するとか体から取り出すだけでいい。
しかし手元に毒の塊が残ったと言う事は吸収の能力も同時に発動したとレイナは考えた。
これは偶然だったのだが、毒から助かるためには拒絶だけでも十分だったと考えられる。
「それは凄い能力だな……」
強力な毒から身を守り取り込んてしまう様な、能力の同時発動はありえないと普通は考えられている。
それをレイナはあっさりと実現させているのだから、イーサンが驚くのも無理はないのかもしれない。
「では薬草に与えていた物もその能力で作った物なのか?」
イーサンは栄養塊の事も知っていた。
ただ能力の全容を知らないイーサンはそれが何かまで分からなかった様だ。
畑に何かを埋め込んだ事は影により知っていただけだ。
「はい。吸収の能力を使って森から栄養素を吸収して作物に与えました」
「作物が巨大化したという報告も受けているが、それはどう言う事なんだ?」
「それは栄養の塊をそのまま与えてしまったからだと思います」
「濃すぎたと言う事か」
「はい。だから最近は調整して薄めて使っています」
「吸収したものは効果が上がると言うのか?」
「不思議な事ですがそうみたいです」
吸収やコピーしたものが元より効果が上がるなど普通は考えにくい。
むしろ下がると考えるのが普通であり、二人が困惑するのも無理がない事だ。
「聞けば聞くほど凄い能力だな。しかしそんな能力ならシールズを治すことが可能かもしれいな」
未知なる能力である【拒絶と吸収】それならばと期待してしまうイーサン。
しかしレイナとしてもこの能力について全てを把握している訳ではない。
「やれるだけやってみます」
現状ではそれだけしか言えない自分がレイナは歯がゆい。
そんなレイナの不安をイーサンは察したのか軽い口調でレイナに話しかける。
「レイナ、話し方が外行きになっているな」
「うん、そうね。イーサンも真面目な雰囲気だったし、しっかりと答えなきゃと思って」
「そうだな。俺も緊張していたみたいだ」
お互いに真剣な話をするのは初めてなのかもしれない。
口調が固くなってしまったのも仕方がない事だろう。
「レイナ、シールズを頼む」
「うん、やれるだけやってみる」
何時もの二人に戻っていた。
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